気のつよいのは、はは
泣きべそなのは、ちち
そんなふたりに、わたしはよく似てる
いつになってもこのかなしさは
変わることがない
いつになってもこのさみしさは
何にも代わることはない ....
○「終活とは」
「死ぬまでにやりたいことはないか」
「死ぬまでにやり残したことはないか」
今度は 死から生を眺める期間である
見上げた時には空があったのだけれど、見下ろした時には視線の先には水たまりだけがあって、すでに空に何があったのかも忘れていた。
そんな日はわたしもかつての恋なんかを思い出せるようで、ただしそれ ....
深夜、ふと思い出し
夢の中でカレーライスの
分解を始める
専門の工具を使って
肉は脂身と赤身を分け
さらに赤身は一本一本
繊維のネジをはずしていく
ご飯の一粒は小さいけれど
....
いつもより遠く走らせた自転車
未知の風景に気もそぞろ
地に足が着かないって比喩じゃなくて
夕方、川に落っこちた
小さな魚がキラキラキラ
僕がいた、一瞬だけ
水は本当に綺麗だった
ゲラゲラ ....
真っ白な大地に紅い亡者がチロチロと
不吉な舌先で黒いヤモリを舐めながら行進している
灰色の雨が濁った街を濡らして
怒りと哀しみの入り混じる極彩色の絵の具を溶かす
人々の瞳に宿る炎が
どん ....
焦茶色の土に塗れ
横たわる聖護院蕪と金時人参
自宅裏手にある井戸で
背筋凍るような水を浴びて
凹凸の肌を露わにする
長い間固い土に埋もれていた彼ら
掘り出されてやっと日の目を見る
さ ....
リリリリンと鳴く鈴虫の
涼やかな音に魅せられて
そっと瞼を閉じて暗闇のなかで味わう
掠れながらも必死に相手を呼ぶ
その切羽詰まった思いが
リズムとなって生を刻んでゆく
誰かに何かを伝え ....
舞い落ちる
舞い落ちる
花びらに埋もれて眠りに就きたい
潔良い花のように
波乱万丈の路を歩んで来た
想い出が有りすぎて
ぽろり ぽろりと喜びの涙が零れ落ちる
数えてきれない壁を突き破って ....
そう言えば
あの日
君のアヒル口が
とびきり可愛くて
今思い返すと
なぜあの時
君はアヒル口なんて
したんだろうって
よく考えると
君は
俺 ....
ぽかんと丸月の
薄雲る空に浮き出でて、
また不思議に甘やかな
にほひ辺りから漂い来て 、
あゝこの意識に時空の
溶ける融ける、蕩けゆく
駅までの道のりが
気怠い朝
右側に公園
木々から
ピヨピヨ
左側に民家
屋根から
ピッピッ
鳥たちは
何を話しているのだろう
ぼくは
真ん中で
おはよう
....
べいじょん
これはなんだ
アメリカ人だよ
べいじょん?
なに金持ちなの?
しらね
でなんだべいじょんつうのは
知らんて
お前が言ってきたんだろ
お前なら分かると思って
意味わからん ....
記憶はおそらくは戻らないだろう
泳ぎ去る魚がおそらくは戻らないように
春の大阪湾は
あまり悲しくなくて、いいな
バンコクハクランカイなんて
知らないけれども
夜 ....
「あした 先生はお休みします」
そういって以来さわぐち先生は
学校に来ない
もう二度と会えないんだという
くだらないうわさがガヤガヤと
一組と三組と四組には広まっている
....
ボーナス制度とは搾取ではないか。
封建制度の名残である。
賞与は褒美として渡される。
縛りつけるつもりなのだ。
(ボーナス入るまで、やめないでねって。)
給与だけなら12回の手 ....
すぐつもる
雨は
おととい
きのう
今日だよ
なあ
迷いに悟りまぜんな
何が?
もうええええて
かなしばり
目
横顔
それだと思ってたの?
あなた、ほ ....
そういえばあなたは 春がキライでしたね
春は余計に淋しくなってしまうからと
いつかぼそっとつぶやいてたのを
ぼんやり覚えています
今でもやっぱり 春は淋しいままですか
気 ....
○「愛情とは」
もっともっとあなたのことを深く知りたい
という欲求である
○「自殺予防」
踊りなさい
歌いなさい
飲みなさい
笑いなさい
○「理屈妻」
ああ言えばこう言う
....
人を処すのに刃物はいらぬ
リスパダールの3ミリもあればいい
毎日、微量の毒を盛り
病死に見せかけ死んじゃった
あ、歴史もびっくり現代の
やること変わらん人類史
隣りの国を嘲れば ....
東からゆっくりと昇ってくる──
それが恒星だと、
私達にはわからない、
私達はそれを神という。
ある部族はカレに対して贄をささげ、
ある部族はカノジョがセカイを創ったと伝える。
1 ....
香を焚き
花を散らし
夜は更けてゆく
想いは深く星空に消え
来し方を想いだす
きみと暮らした18年
時には重く
時には軽やかに過ごして来た
互いに栄華の時は過ぎ
これからは別 ....
井戸水で泥を払う
ラディッシュはたちまち濡れた肌に日差しを浴びて紅く輝く
まるでルビーのように
粘土のように粘りのある泥を深緑の髪とともに冷たい水で洗い落とし
さっぱりとした體でこちらを見 ....
こたつテーブルの上
底に茶色い番茶が残ったままの
少しだけノッポなグラス
パレメザンチーズと
粗挽きコショーの入れものと
メガネケースと黒い髪ゴム
それから雪男みたいな図体の
ウルトラ怪 ....
ようやく冬支度を始めた夜の気配は
肌冷たくひと撫でする
慌てて布団に潜り込み
達磨のように目だけギョロリと
外の気配を窺った
掛け布団の肌触りはまだ冷やっこく
徐々に体温で温められてゆくの ....
宇宙が誕生する前の話を今更していた
愛だと思っていた法則が
実は随分と前から正しさを無くしていたこと
君は気づいていたんだろう
初めてのオーロラは大切な人と見るものだから
鍵を失くして帰れな ....
陽気に囲まれて
気持ちが持ち上がっていると
釘のように刺す影
不安の裏地で
肌がかぶれる
絶望ばかりしていた
私にさようならしたのに
転落しそう
眩暈に揺れて
踏みとどまる
....
おとなうもの
波打つ光の流れに
私のいっとき入り込み
ヌメる肉の黄金、
宿る生命の身悶え、
光滴の飛沫ひびき立ち
時の一刻み伸びひろがる
意味の喪失された場所で、
私のとっ ....
闇は、やって来る
どんな
忘れたくないような最高の蒼空が
至天満面に広がりつづけるとしても
やっぱりしずかなかたちでまるで無音で
そのときになれば
闇は、やって来る
....
試されているのはいつも自分の方
相手が襲い掛かって来たら
防御はするけど
なぜ襲い掛かってきたのか
考え
質問をする
自分に非があれば直す
試されているのはいつも自分の方
桜の季節
....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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