昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る
途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
....
心奪うように風が
砂の数を数えていった
言い訳もなく僕らはいつも
同じ場所に立ち尽くして泣いた
声が途切れるように聞こえた
そこにいるのに触れられぬような
距離をも無意味にするこころの ....
いつまでも たたえることなく ともだちでいよう
手動で電気をおこして蓄電できるタイプのラジオって
頼りにしすぎると心臓に悪い
今日の日はさようなら またあう日までを歌っていた
ラジ ....
さびしくはないか
雨を歩いている
鉄工所の匂いがする
イ短調から変ホ長調へ
その悲しみ転調させますか
切削油の
骨みたいな香り
金属加工の
歯医者み ....
バスに乗ってたら
13番目のバス停で
ある男が乗ってきて
いちばん前の
広がる窓の席に座った
明るい緑の
Tシャツと
三本ラインの入った
黒のジャージ
靴下の足は ....
あかぎれた手の甲は膝のうえに重ねたままで
ふぅっと深くため息をついてみる
シャッターを下ろした売店脇の柱に掲げられた時計は11時55分過ぎを指していて
どうやら今夜もフェリーは出航しない ....
息往くうめを
三人の男が横に並んで
箱の中の小冊子の数をかぞえてる
いち、に、さん
バイトの女子高生が
早退してお疲れさまでしたと
言ってるのも聞こえなかった
短気な老人が社 ....
赤外線が読み取ると値段が37円増えた後5109円になってポイント使って合計3341円
みんな孤独で淋しいです なんて訴えたりしてみちゃったりして
じゃらじゃら小銭を出してると店員が睨み付ける
....
胸が苦しくなりました
雨がふったから/あなたをみかけたから
なんだか切なくなりました
一人だと思ったから/負けたと感じたから
愛しいと思いました
いじらしかったから/がんばってたから ....
その腕を伸ばし光を遮り
覆い茂る葉の濃い緑は
生きている証 生の強さ
ぽとり
先からこぼれ落ちる雫で
小さき命を救いながら
静かに立っている様は壮大な命
私に目もくれず
拒まず ....
とても 死にかけ
すべてとして それは
目を細める 闇は場所を流れていったんだ!
爆発、 中に言葉も空に
何かだということは、 どこへ出かけるー
自分自身でいようと
大腸と小腸の図を見ると
蛙の卵を思い出す
むにゅむにゅむにゅりと蠢くような
細くて長い透明うんこの中に
いくつものタピオカ
多分ねじればソーセージ
ゆでればカリッと言うのかね
蛙は何歳 ....
父さんが
なれなかった父さんに
なろうと思う
父さんは
自動車が好きで
僕は
自転車が好き
自転車に乗る
父さんを
僕は見たことがないし
自動車を運転する
僕を父さ ....
ふゆの哀しみ
何処につづいている
君の乳房に口づける
石英の香りだ
その暗がりは
ひんやりと音もなく
蛍光灯のあかりだけ
つづいている
すきなだけた ....
薄墨色に暮れかけると
そこは
沼の底
ゆっくりと
沈み込む
響かない 足音
重く
さらに重く
山あいの道
影さす 道
ツタの這いまわる 木々の茂る
細い 細い 道
....
地平線の彼方に大きな夕日が沈む
地平線の見える大地など、僕の住んでいる街には無いのに。
無いのだが、地平線を僕達は確かに感じとることができる
感じ取ることができるので
僕は地平線に向かって ....
{引用=
言葉の降らない日々でも
きみに痛々しい愛(のようなもの)だけを送りつける
ぼくの先端から零れていく赤い信号が
次々と毛布にシミをつくるんだけど
乾いた風に投げ出してしま ....
【懐かしきセーヌ川の畔】
かつて心は麗らかな春のように愛で満たされていた。
あなたと何度も歩いたセーヌ川の畔路には
今もあの頃と何ひとつ変わらぬ彩りの花が咲き ....
据え膳の味を思い出さない男
なんて
今この時私より欲しいものがない
って言えない
なんて
あなたは
一体
どこまで
可愛いの
はしたない
口を引き裂いて
私は
今日も
....
小さな黄色いトウシューズ
夜空に投げ込む
舞姫ひとり
気がつけば
見知らぬ砂浜 星と佇む
昇る三日月
波の舟
櫂漕ぐピエロ
どこか微笑 ....
笑顔で隠して
本音は言えなくて
でも
いつの間にかにじみ出る
私の心がじわじわと
首を締め付けて息が出来なくて
一人でもがいて倒れても
手はくうを切って気がつく
私は一 ....
何日も転がりつづけてやってきたよ
息もつまる社交場から 抜け出したのがいつかの夕べ
すり傷こさえて挫けずに 記憶のねじが教えてくれたこの場所へ
色とりどりの世界をみたが ....
体が酸素を欲している
消化器官がせわしなく働いている
その上 申し訳なさそうに今日までの出来事を語る彼は
私を夢の世界へ誘おうとしている
この時間の枕は
歴代のあらゆる出来事を行った偉人 ....
赤白のガントリークレーン
お台場でずらり水を呑んでいる
君たちはまるっきりキリンの立ち姿してるから
象のモアイ像を並べてあげよう
ガントリークレーンほんとうに
ダリのキリンにそっくりだけ ....
木枯らしがからからと乾いた音を立てる
あらゆるものの輪郭がくっきりと描かれ
移り変わる季節への感傷に浸りたいのに
冷えた手は無意識のうちに摩擦を起こし
細胞の根元から発信される欲求を満たそうと ....
夜行列車を降りた旅先の富山で
朝から無人のグランドに行き
雪化粧した立山連峰に目を細めながら
お兄さんと、キャッチボールをした。
玄関を開いて部屋に入ると
春に生まれたばかりの ....
お気に入りの詩集を開いて
(いい詩だなぁ・・・)と思い
目次に並ぶ題の上に
丸をつけたら
手が滑って
凹んだはーとの形になった
*
ほんものの詩というの ....
旅の列車に乗り
ふと車窓の空を見上げたら
日輪の周りにあらわれた
大きい虹の輪
アルプスの頭上に広がる
いちめんの空が
車窓の僕に
何かを云っている気がした
不幸でなければいいと僕が祈る囚人たちは
言語を弄んだ罪でここに囲われている
したこともない恋愛を歌い
自分があたかも天才であるように振舞った罪で
ついに国家は統制に乗り出し言語著作権を制定 ....
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