ひとつの僕だ
声の自分を
言葉には見つめさせられた 寂しさが
寂しさの 声にあふれた
僕を立っているのだ
ここに 孤独として立っているので
景色としては 終わっている
ひとは
好きと気づいたとき
不思議にも
何の抵抗も感じない
ひとは
嫌いと気づくとき
残酷にも
何の躊躇いも感じない
己が血潮に身を委ね
驚くほど素直に
それを享受する ....
毎晩電話を切る前にあなたは
愛してるよ、と必ず言う
それは日課のような響きで
外国の映画で俳優さんが発音する
アイラブユー、のようなスィートな感じはなく
なぜ毎晩決まって言うのだろう、と私は ....
拝啓 リョウタロウ君
ぼくは君の立つ位置を知らない
君の電話番号も 住所も 風向きも
君は 積もった雪をかきながら
眼下に広がる田園に額の汗を拭い
そしてゆっくりと
倒れていったという
....
例年通り僕の誕生日は雨だった
街の所々から音泉が湧き出ていた
それは素晴らしい日々の幕開けだろう
それ以外は考えられなかった
なんなんだろう
この不思議な気持は
プ ....
いき・いき・息をする
いきている、
それはとうといものだって
胎児だって知っている
重金属のスプーンで
カキだされたこどもたち
かれらの蚯蚓のような
ちいさなゆびとゆびに
クレヨン ....
突き刺す様に迫る
新月の闇に呑まれ
永遠を誓った枕話
コイン全て委ねた
一夜のギャンブル
ふたりの愛情物語
達成感先取り
劣等感置いてきぼり
いつの間にか前へ
ワープするためのパスワード
つらいと書いてからい
スパイスは今
終わり甘けりゃ万事OK!
渋さが分かれ ....
八王子市がやって来て卵割りの芸を見せてくれた
節子が死んでもう五カ月になるのか
節子の好きだった清元はもう見に行きたくない
八王子市は俺のそんな心の中を知る由も無く、卵割りをぽつねんと続けて居る ....
あなたの声で生まれた
僕の心
が
時々いたい
んです
気のせいだと
よく思ってたんですけど
あれは
そういうことだったんだろ ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって
地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって
てっぺんは尖がってて
おっと ....
打ち上がった花火は
平面として交信するものだから
金の線はちゃんと交わって
そうやって消えていった
昨日の線香毎日香
窓を越して
「ぷすぷす」
光ったうぶ毛を抜いていく
....
よる、みあげれば
いのちのいちに
ひとつのきれいなあかいほし
ルビーみたいなあかではなくて
ガーネットともちがうあか
めのうというにはかがやかで
パパラチアよりもふかいいろ
....
シリウスが西へ傾くのが
日一日と早くなるにつれ
少しずつ膨らんでゆくソメイヨシノ
ですからあれは天狼桜
あちこちでは
星の瞳も瞬き始めています
オオイヌノフグリ、天人唐草
目を凝 ....
鳥の
木々の
呼び声の
数だけきみはそこにいて
移ろうものは移ろいながら
鍵穴の数だけ鍵があるように
いつもおんなじきみを恋うから
きみはすこうしさみしくなるんだ
あま ....
私にも君達にも、「心」というものがあります。
今、わかっているのは、
「心」というのは目に見えるものではなく
とらえどころのない、不思議なものです。
「心」という言葉があるから、 ....
他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること
どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない
今分かるのはどちらにせよ
あの鳥をこの銃で撃ち落さなくてはいけない ....
せかいちず
の
うえ
に
こども
が
い
く
に
ん
も
たおれている
なみだ
を
とめること
が
できない
生れ落ちたから
生きてきたんだよ
そこが海だったら
泳いでいたはずだよ
生まれた場所がそこだっただけ
幸せってことがみんなとちがっただけ
親に期待をしなくなったのは
家族に夢をも ....
このポットは何にも満たされることはない
なぜなら
何をどれだけ注がれたとて
知れずに欠けた穴から漏れ出す
欠けた穴から減り続けるなら
他のポットに注げるはずなく
....
なにより色の付きやすいあなたが
僕より先に 人ごみの中に入って行く
すべては僕の仕業で
そしてあなたのせいにした
あなたは 拒絶することを知らない
それは 罪だ
....
肩のふれあう距離で
並んで歩いてゆこう
「いっしょに写真は、
....
しぐさが好きだから付き合う
セックスしちゃったから付き合う
酔ったいきおいで付き合う
運命を感じて付き合う
おいしいごはんを食べさせてくれるから
付き合う
価値観が合わない ....
あなたの青は わたしの青ではないのだろう。
あのとき選んだコトバは わたしのものであって
そうではなかった。
水に水がとけてゆく
そのオトが 耳を塞ぐ。
沈んで沈んで沈んで ....
なべ底から泡の首飾りがたち昇る
素早く捕まえ自動で選択
あなたの指はベロアのクッションカバーの匂い
深い緑色の新しい
あなたの指
口に含んで音をきく
髪をひっぱって鎖骨に噛みつ ....
明るい憂鬱だなあ
と思った
だってテーブルには甘すぎるオレンジジュースと食パンと先先週の週刊誌がのっていて、汚い、ほうけた日常があるだけで
わたしはその横に座り、強く胸を押さえ、苦しみに ....
親指の付け根で床を知り、ゆっくりと、土踏まずから踵へと移動しながら床に触れてゆく
一足、一足。
その間隔は短い
少しずつ、床を確かめる
一瞬、床に顔が映った気がした
中空に手を突き刺すが ....
*化石
ならない電話をのみこんで
渦まくコードの
耳から漏れる
おとのかたまりを見つめてた。
*氷菓
たて波の断面のように
歯こぼれしていた、
底冷えのあさ
薄切りの ....
夏の
おわり
もう
秋がちかくに来ていた
とんぼが
飛んでいる
たくさん
たくさん
橋の下の
川に飛んでいる
えさを
さがしているのか
あっち
こっち
行ったり ....
陽だまりの中で
広い野原を
子猫たちが
とびまわっている
草や花を
口にしながら
じゃれている
まるで
会話をしているかのように
迷子になった
子猫たちは
鳴きながら ....
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