大陸の灯は臙脂色に蒼ざめた望蜀の礎
岩頭を蹴った四十億年後の奇形児は
宇宙の一滴として未然形のまま荒ぶ大洋を突き
遺産の頂点で呪符を戴く死出の旅路に夢中でした
光の精度は絶えず寄り添う闇の海 ....
乱視の月を
綺麗に見てみたいから
眼鏡をかけて
見上げた蒼い夜空
望遠鏡でさらに探る
月って
こういうものなんだ
なんだか
そこまでしてはいけない気がして
いつも乱視のままでいいやっ ....
かつて薔薇のように美しかった
5月生まれのお婆さんは
先週、深夜にベッドからずり落ちて
車椅子にも乗れずに足掻いていました
かつてメディアの第一線で
活躍していたお爺さんは
....
はだかになってわたし
まっくらなへやの床をだきしめた
おなかの上に寝そべる闇を
なんとかしたかった
降りてくるよるに
カーテンをひいて抵抗したけど
時間制限があったらしくて
ひいやり ....
{引用=
山の細胞があんなにゆっくり色づいているというのに君ときたらせっかちでいけない}
学校で図書館で自分の部屋で
本屋でコンビニであなたの部屋で
髪の毛の一本でも爪の ....
今迄のオイラは
少々の向かい風が吹けば
へこたれて
縮んだままになっちまう
ひ弱な{ルビ御玉杓子=おたまじゃくし}なのであった
物語の続く台本を、いつも
何処かに投げ捨て ....
月に片足つき
足をくじいた
子供の頃を
大事にして
今は海に
とけるだけ
自分の姿を鏡に映しても
人の姿を眺めていても
人間は、何かが一つ、欠けている。
鏡に映る、等身大の自画像と
鏡の前に立つ自分という人の
向き合う間に、ささやく風は
今日も密 ....
久しぶりの長電話の末に
ケータイのバッテリが切れかけ
「次は原宿」と
約束する振りをした
あれがラストだとは
まさかそのときは
思っていなかったから私
中途半端な態度のままだった
....
過去を投影した珈琲
まだ熱く舌を痛める
傷となって疼けば
記憶し続け
消えない
飲み干したら溜息
共有した時間を遡る
悲しくはない
寂しくもない
傍にアナタがいない
ただそれだ ....
突然話しかけられたら 心臓が泣いてしまうでしょ
その前に止めておかなくちゃね 大丈夫一人でやれるわ
あなたはきっと私が また迷ってしまうからって言うけど
もうきっとあなたとじゃなくても ....
送電線が影を落とし 僕の日記は閉ざされた
高熱の女子中生が 幾度目かの眠りについた
幽霊船が海に沈み やがて初めての朝が来た
老人とロリータが 手を繋ぎ東の空に堕ちる
....
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{引用=
これは、リンゴの木の前に立っている私 ....
その石はまるで子宮のように
あの日 交わったときから
じっと守り続けた
ゆだるような潮風からも
氷点下の吹雪からも
じっと路傍で待ち続けた
ただじっと砕かれる日を
穿たれる時を
自らが ....
星を喰う獅子が落ち
彼方燃える夕刻に
寄る辺ない足取りは
今にも崩れそうな橋を想定した
白線を辿る
鼻歌が頭蓋に響いては
鞄を持って耳から逃げてゆく
使い物にならない両手で耳を塞ぐと ....
止められなくて
抑え切れなくて
この胸が常に張り裂けそうで
キミは僕の何なの、
考えるだけで
心が乱されるのは
どうして、
人格の壁を崩す力
破壊衝動破滅熾烈亀裂
試験的な感 ....
砂に埋もれていく
記憶の再構築
あなたの悲しげな瞳が
頭の片隅に
何度も巻き戻していたかった
擦りきれたテープのように
ぼやけても色褪せても
あなたの肌の感触は
鮮明に
時間 ....
部室に転がっていた雑誌の表紙は手塚治虫だった
手にとって眺めていたら
女優の田中裕子のエッセイに目がとまった
もう20年以上まえ、平成元年のことだ
エッセイの内容は
ライトアップされた東 ....
あの日
僕は近所の土手に立って
透きとおる川の流れを
じっとながめていた
あの日
それは午後二時ぐらいだった
昼過ぎの太陽の
どうしようもない明る ....
もしもうひとつのパラレルワールドがあるのならば
その世界の僕はどういう人生を歩んでいるのだろうか
もし幸せな人生を送っているのかな
僕の人生と取っ替えっこしないかい
君が死ぬと ....
透き通った青の天井見つめて、
寒空の下
薄いボロボロの服を着て、
その子は寝ている。
大きく目を見開いてその子は眠っている。
チェマダンの往来の真ん中で、
一人のコッチョビが眠 ....
風が吹いて
君とのキスが水面に広がる
君とのキスは甘い
甘さの芯を追いかけると
ぼくは一本の線になってしまう
このまま消えてしまいたい
....
回転を少し止めた朝は
おだやかな
エメラルドの生地で
ひとつの心臓もない
白い砂床に
波のつぶやきを聴く
貝の肉のような
とりとめのない柔らかさに憧れ
ギリギリと角質の擦れ合う ....
いざという時は
やるタイプとか言って
その時やらない人は結局
いざという時になっても
やらないんだってさ
世の中そんなに
甘くないよ
とか言いながら
どこかで
まあ大丈夫 ....
ガモラーゼがやってきた
予言された通りやってきた
上弦の月夜霧が晴れたらやってきた
ガモラーゼがやってきた
足音が聞こえ私は飛び起きた
窓から顔を出すとガモラーゼはすぐそこだった
ニキ ....
誰もいない
誰もいないということの
その 誰かの誰かである 誰もいなくなった誰かへの
誰である 誰なんだ
街は荒れ果てていて
通りは大通りと呼ぶには
溶岩のように荒廃していた 天使 ....
無題遮光の夜
見回しても、夜は遮光の空間
日明かりの推進力は彼の地のオーロラ
犬歯に唾液映える虹の渦巻きにトドマる
蠅の羽音は次元を越えた悲鳴か私の瞬き
妄想は知れぬ運河に堆積するが、
....
冬が背中のうしろまで来ている
今夜の雨は仄かにぬるく
地上のものの体温をすべて奪う雨ではない
むしろ
ささくれ立った地表を磨き
朝が来る前に
つるりとした球体に変えようとしている
古びた ....
私が
景色を切り取って綺麗にうたおうとしている朝に
母と祖母が冷たい戦争をしていた
庭では 冬支度がすすんでいた
家の中の空気と 外の空気が
同じぐらいの温度の朝だった
無言とは
ひ ....
あなたから十秒を譲り受け
その使い道を一日をかけて思案する
可能性は枝葉となって
折り重なるように裾野まで広がり
結局いつも、空は見えないままで
時計の針は短いほど遅くなり
重なり ....
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