正確に、触れる
手を
失って、雪が降るように
眠る、かの詩行を
思い出して、正確に、見る
目を
失って、雪のなかを
行く、すべての孤独から
切り離されて、孤立、
蝶番が外 ....
しずかな星のみちゆくみち
ここ
その道に振りむけば
また
かえってゆく者たちも
うつくしい
魂を彩れば
彩るほどふるえた
色とは
光のこと
ひかるものはみな
震えるのだから
....
きみの傷を食べたい
手にとって口を汚し
きみの痛みと同苦したい
冬の帰り道
きみを拉致しにゆく
きみを殺しにゆく
ぼくらはちがう空の下を歩いている
月の満ち欠 ....
あえてお前を
醜くフォーカスしてみる
黒い茨の群生に
赤紫の
腐った断崖
生命の
惨めな瘴気を湛えた泥濘
あえてお前の
社会的経済的背景を
想像してみる
....
帰巣本能とはなんだろう
なんのたとえ話なんだろう
いったいどういう宇宙を
ものまねしているんだろう
時間は帰巣する
宇宙の果てより始まりのほうに
ぼくは惹かれて ....
変わらない景色に馴染めなくて
冬の雨も相変わらず嫌いなままだ
冷たい言葉遊びに対して
拒絶という、純粋すぎる答えを与えてくれた
微かにも願ったことがあったなら
さらば、青い花
....
夜のベランダでぼーっとしたよ
星の光がコツコツ瞬いてる
これまでの歴史の足跡
それは波飛沫みたいに
満ちてはじけて消えてった
あまたの魂
夜の電車に揺られてぼーっと眺めたよ
高速道路 ....
なんということはありません。
人はみな、「死に時」に向かって生きているのですから…
日常は、「死に時」に向かって時を刻んでいるのです。
セレブもホームレスも誰もの日常がそうなの ....
部屋に雪が積り、川が流れている。真っ白な部屋で僕は一人、翼をもいだ。
君の背中に僕の、羽根を付け足して、人差し指で星を描いた。
人魚姫の石化した歌。ぼくらはきっと、石に戻れる。
空から石が降って ....
かつて見たことを撒き散らす
夜の遊覧船
僕は見ていた
幸先を試す
二人の老婆を
※
花だけを手折り
匂いにとらわれ
忘れてしまっていた
胞子状の軋轢
※
長い道の ....
寝返りをうつたびに冷やされていく
わたしには
チョコレートの甘美さも
ふとんのかび臭さもおんなじ
上手におよがしてください
貧しい味覚でもって
あなたがたいへん口に合うのです
は ....
この人は知らない人だ
目の前の
恐らくタイプであろう人を見ながら思う
いつからすり替わったのだろう
この前まで何もかも理解し合っている人だったのに
もうあの人はいないのか
残念だ
....
汽車
ぽっぽっ
しゅー しゅー
ガチャン
連結器は磁石でした
ゆるくて時々脱線しました
木工ボンドがあちこち
はみ出してました
そんな時代でした。
汽車
ピィィー
ぽっぽっ
....
主の居ない実家の風通しに行って
帰京する日の昼食は
親父が通いつめていたラーメン屋
生前
親父は帰省していた僕が帰京する日には
決まってこのラーメン屋で一緒に昼食を食べた
それだけ ....
猫がなくので
すぐ愛子にいくと
インターネットをやる気にもなれず
寝ころんで
磨いたサッシ戸から月を見て
浮世の面倒から逃避するのです
布団は薄い夏布団二枚と
毛布しかないので
電気毛 ....
かすかに上気した頬
鎖骨のくぼみに溜まった汗
息遣い。
柔らかく
膝にかかる軽い重みと
あけ放しの眼
・・ハンカチが小さすぎて、拭いてあげられない
タオルを用意できない わた ....
映写機がカタカタ鳴っている
僕の撮る写真が君は好きだという
街は白黒というよりも何かひとびとの
息吹をはらんだ色彩に染められている
街灯には設置された年がゴシック体で
刻印されているのだ ....
すごく鬱陶しそうに言われた。
「私たち疲れてるんだから、それぐらいしてよ」
だから鍋の中のシチューを温めた。
べつに、なんともおもわなかった。
ちょっとぬるかったかな、とか意識の遠くの ....
夢 いかがですか
どんな夢でもお好みのままに
夢 いかがですか あなたに夢売ります
僕のポケットにあふれるぐらいに
夢がたくさん入ってる
あの日 君の心から奪った
夢も押し込まれている ....
いくら口にしても、なかなか伝わらないから。
君にキスをしよう。
僕の溢れる想いを、注ぎ込もう。
きっと、いつもと違う気がするから。
わたしが今まで付き合ってきた人、ひと
みんなやさしい人だった
だからわたしはいつも
好きなタイプを訊かれると
「優しい人」と答える
きみはとても意地悪です
わたしの手が冷たいと ....
うそつきなこどもだった
帰り道
鍵っ子だったわたしは
ひとりっきりの家に帰るのが
さみしくて、さみしくて
帰ろうとするMをひきとめようと
こう言ったのだった ....
ふう、と、ふきかけると
ミクロの
白い波紋が
おきて
瓶詰めの私が
不思議の国のアリスよろしく
昼下がりを
漂流する
眉間の
谷を
落下して
五月雨は
中日和
溺 ....
液体が積もる町に埋まる僕
僕の上に座る冬
どうしても居心地がよくってずっといる
冬がみどりだなんて想像もしなかった意外と大きいってことも
あなたが降りてくれないから僕はこの青臭い液体を ....
8mmフィルムに映し出された青い空を
精液で汚して
町の中をまわる電車に
逃げ込みました
逃げ込んだ先は年老いた少年の
末期でした
野良犬は小便を垂らして
猫たちは決して譲らず
許 ....
ーーー高橋雅人のコンサートによせてーーー
その音は数千年の嘆き
応えるもののない荒野で
干しあげた声
その音は数千年の別れを
吹きぬけてきた風の色
鈍色のアジアの白玉 ....
ずっと待ち焦がれていたの
その手を
あなたのその手を
あなたに愛撫されるように
夜のシーツに包まってわたしを宥めた
あなたをずっと待っていたのに
あなたの指がわたしに触れ ....
私の背中に包丁を入れてください
あーそこそこ
丁度かゆかったんです
そのまま まっぷたつに
お願いします
キャベツというのは
幾重にも丸まって
ドカンといるでしょ?
自分が大きくな ....
フレル 震えるそこに フレル
いつまでも降り止まない雪は
ついに私の心にまで侵食する
どろどろになっている私の心の中に
冷たい温度のそれはしんしんとつもる
フレル 凍るそこに フレル ....
昔よく聴いたCDをかけてみた
当時つき合っていた女を思い出していた
精確にいうと
つき合うまえの胸騒ぎを思い出していた
その女にわるかったよなと謝ってみた
今でもいちばん ....
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