桃色の花園を下って
季節をオルゴールへと 移す作業が得意なの
通り過ぎる人の白い髪に朱林檎
気丈に振る舞うお姫様に 見せてあげたいものだわ
手を取って 踊るよりも
隣で鼻歌 歌い ....
ホテルで本を読みながらたまにAVを見つめている
財務関連の本を蛍光ペンかたてに読んでいる
このての本は猥雑ななかで読むのにかぎる
ファミレスやこんな環境が最適なのである
若い女 ....
僕は雪ん子 寒がりです
生まれた雲の下をしんしん走ると
すぐ鼻が赤くなります
雪に足跡つけていいですか
振り返れば消えてるのを
何度も見ましたから
口をアングリ開けて
待ってますね
....
あのころの今
こんなふうにしていたから
こうなれたとかじゃなくて
あのころの今も
こんなにふうにして
どう転ぼうとも頑張っていた
暗中模索、徒手空拳でやっていた
....
青空模様のタイルに覆われたような
ガラス天蓋のあるコンコースを歩く
ひとけのすくない午後の駅には
のどかな旅愁が満ちている
上空は強い風が吹いているのだろう
立ち止まった路のうえを
雲が落 ....
あなたに
中年男の一番大切な
ナニをあげよう
42年間かけて
磨き上げた
大切な
ナニをあげよう
愛されることに
不慣れだから
きっと
独りよがりよ
詰られてもいい
....
忘れてしまっていたはずの言葉を
反射させられるようになっていた
どうやら
自分は戻ってきたらしい
自然に発せられていたはずの言葉に
けっつまづいて
唇を思いっきり噛んでしまった
....
春を踏んで道が砕けて
僕の足はそれでも動いた
空に浮かんでる大きな鉄の屑が
落ちてきたとき
苦くてとても飲めこめそうも無い
冷たい氷が落ちてきたとき
それでもよく動いた
秋の雫が喉に ....
(末尾より)
こんな僕には才が無い
そう思うことはしばし在る
すぐに壁にぶつかる、や
すぐ辿り着いたことにしちゃう、や
向かい方すらわからない、や
こんな僕には才が無い
そう ....
わたしらしいわたしは
ほんとはね
わたしだけが知らなかったの
天下分け目のボスポラス
西と東は住み別れ
前人未到のガラパゴス
種がついてる土踏まず
分別臭い喜望峰
白と黒とに彩られ
線が引かれたエクアドル
熱い思いも何のそ ....
立ち止まるということは
たとえ一人であれ
誰かと一緒であれ
少しばかりの決心が必要だ
なぜなら いまは
進むことも戻ることもできないということを
ただ ここ この場所 それしかないと ....
花と花の間 手と手のまにまに
祝福の無い冠が
どれほど過ぎゆき
過ぎゆこうとするのか
新しい月より
さらに新しい月が
夜を夜より暗くしている
音の手を引き ....
時と硝子
偽りと森
砂のなかの息
くりかえす泡
持ち上がり
青を発し
影に溶け込み
それでもそのままの己れで居る
髪の長い子がふたり
手の ....
カテドラルより鐘の音がこぼれてくるので
僕は屋根裏のようなその図書室で顔を上げる
埃っぽい書物たちの潜む書架が
ひとたび足を踏み入れては還れぬ森のようだ
森の中には誰もおらず
時折ド ....
若いうちに頑張らなければと
四十も後半になった夫が言う
うむうむと うやむやに
どことなく頷く
言いたいことも言わなければ
いけない事も
お互いあるはずだけど
なぜか若い事に ....
隣人を愛した
隣人に愛されたかった
それだけだった
それだけじゃなかった
世界を愛した
世界に愛されたかった
それだけだった
それだけじゃなかった
私を愛したかった
....
大晦日に体調が急変して
救急車の中で息絶えた友の
告別式が行われた一月九日
遺影の中から
微笑む顔も
棺の中に
花を置いても
まるでフィクションのようで
制服姿 ....
有って無いもの。
糾弾と依存とを行き来して、
「ぼくら」はどちらの虜囚だっただろう。
吹きさらしの冷たい玉座に
老いた王子は逃亡の果て 独り帰り着く。
だがそのとき再び、
冬のおそい夜明け ....
ある日マザーテレサは
旅先の列車の中で
(貧しい者の瞳に、私がいる・・・)と囁く
不思議な声を、聴いたという
もし、人生に幾度かの岐路があるとして
私も夜の{ルビ静寂=しじま} ....
斜めの方角からきた野心に貫かれて
私の正義は枯れてゆきました
たばこのぽい捨てなんて注意できる勇気はない
路上に捨てられた吸殻も拾えない
潔癖症の私にはふれることができない
自分で ....
上には上があるという
横には横があることを
だれもちゃんとはわかってない
並ぶってことは重要だ
生きることを認めることだ
同じ地球の同じ場所に
並んで生きるということだ
上には上 ....
空からおはじきが降った日
小さなうさぎが
震えていました
太陽の光を反射して
おはじきはキラキラと
七色に輝き
まるで
世界中の命のようです
皆は我先にと
おはじきを一つ受け ....
表現の他人の物体の
無の自分の声の
光の誰の先生の
ワイパーの病気の体の辞書のメモの
太陽の口の調子の
懐中電灯の落下の
人の口の
影の暗闇の体の腐敗の自由のアメリカの
誰の日の
女 ....
俺は俺だ
俺よ 俺の俺だった俺に 俺だ
ああ俺は そして俺であることで 俺に俺はー 俺の
でも、俺なのだろう 俺だ
俺ではない
俺はこの俺ではない 俺の でも俺ではない
俺は ああ 俺だ ....
100110
あら! ほんと
見ない振りして
拾い上げては
背中の屑籠に投げ込んだ
モク拾いの場面を演じて見せる
一本3.5円の増税 ....
朝まで降り積もった骨を
川へ捨てにいきます
冷たく軋みながら
空の色が
川下へ流れていきます
家に帰ると
また同じ数の骨が
降り積もっています
はる ....
{引用=
大さわぎでなく
ゆっくりと歩む
足の裏に感じる砂の感触を確かめ
けして温かくないけれども
柔らかく反発してくるようなそれを
一足一足 注意深く進まなければ、
見逃してしまう ....
名もないような
草花があるのだろうか
たとえ雑草にしても
知らなかっただけなのに
心にとまったなら必ず
名を呼ばねばならない
気にとまった草花の名を
知らなければそれ ....
誰が好きですか?
誰かを愛してますか?
愛している人に何をしてあげられますか?
自分ばかりを見ていて欲しいと思っていないですか?
きれいごとで片付けますか?
きっと役に立つと思ってますか ....
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