彼女は意地が悪かった
金襴羽織りに唐笠さして
しだれ髪ゆらゆら猫の尾っぽ
だけど嘘はつかなかったよ
紅殻格子の道行に
大和屋さんで金米糖
桜桃の口に星ふくむ
風吹き上げる満月宵は
障子に隠れて指 ....
季節の変わり目は
不思議と あいまいで、
みあきた建物たちの
街色は、いつもの
寡黙のまま
昨日とのくべつのない
今日を数えながらも、
オリオンをあとにしたら
きみを探し ....
あたまがおかしくなるようだ。
あのうたはもう、ひびかない。
こころが遠くにあるようだ。
手を伸ばしても、とどかない。
空回りするそらの向こうに、
今日も見えない星が出ている。
眠れないので煙草が切れて
真夜中に買いに行く
顔が痺れる寒さだ 真冬の夜空はいい
何にもなくていい
気ちがい女がまた徘徊している
こんな時間出歩くのはあの女と私ぐらいなもんだな
ゲロ吐く ....
{引用=
夜に
もう成長しないどころか
ますます退化をする体を抱えて
たくさんの書物と一緒に
帰宅をすると道すがらの
運動場には
テニスの練習をする
少女の姿があった
テニスウェアで ....
雷鳴だけが轟音となる
神々は声ひとつとして告げはしないだろう
いてつく稲光
彼方では群青色の森林が中央を切り裂く
谷間からは溶岩をわき上がらせてはがれ落ちる山河
幾たびもの曲がり角を墜落 ....
何もない 噴水のまわりを
子供たちが 走り回っている
人との約束もなく行き交う カラーボールを
放っては なんとなく空に
投げあっている
本当に疲れた 僕は
自分すらない 暗い夜が ....
きみの乳首がかたくしこり
ぼくのペニスがじっとりと腫れる
ぼくたちは海の底で
生きることだけを考えていた
あらゆるセックスを愉しもう
気味のわるい生物が旋回していた
....
鏡に映った僕が手を差し延べたから
僕も鏡に向かって手を差し出した
鏡に映った僕が泣いていたから
僕も同じ様に泣いた
鏡に僕が映っていなかったから
僕は鏡に映らないようにした
鏡に映った僕が ....
あなたのこと捨てたわ
ごめんなさい
それはあり得ない
きみがぼくを
捨てられるわけがない
だって
拾ってないんだから
あの信号はあたまが悪いの、
と、きみがあんまりにも言うから、
夏からずっと彼はみどりいろのランプをつけたままだ
熱帯の植物みたいな色をした派手なランプの光が、冬の真夜中に開け放たれている
彼に ....
夜の間に皮膚から滲み出て来るもの
それが何なのか
夜の間に爪を伸ばすもの
それが何なのか
あなたに聞きたくて手紙を書く
切手はあの時の四角い空だ
まだ誰にも使わずに残っていたあの時 ....
星と星の間をじぐざぐに歩く
ぶつからないよに 触れないように
そんなしぐさのことを
愛と呼ぶのです
つんつん 低いところつつかれて
なあに と振り向く心
そんな温かさのこと ....
「ゆびきりげんまん」
遠くから
子供たちの声が聞こえる
約束の時の決まり文句
笑い声混じりに
軽やかに歌って
また明日と
それぞれの家に帰る
「うそついたらはりせんぼんのます」 ....
真っ暗な空に
両端が刺さりそうなぐらい尖った
三日月が横になっていた
なぜか 両側に霞がかかっていた
あれは だれかの曇った瞳なのだろう
心の4番目のドアをあけて中のものをぶちまけたよう ....
ジグザグジグザグ
ぶつかりながら
ジグザグジグザグ
みぎへひだりへ
止まらなければ、
どこへでも行ける。
俺の背中にチャックがあればいいのに
背中にチャックがある奴は 夢を与える存在なんだ
ミッキーマウスとかサンタクロースとか
彼らは実在する 実在する嘘 いや嘘じゃない
夢を与えたいという ....
落雷で二つに裂けた木の根幹を眺めてた
理由もわからずに
それは起こったことであり
また、失われたもので
わずかに残った根元が
暖か ....
さようならをするでしょうね
明日のことがわからない
おはようございますと言うでしょうね
昨日のことがおもいだせない
血が
よろこんで
泣くから
肋骨に
光を
あてろ
酸素を
....
老いさらばえた者の投げる石は
無機物であり卑屈なものだ
若く猛々しい者よ、思いきり石を投げろ
その有機物としての生命をぶつけろ
陰湿な世界を砕き散らせ
俺達こそ ....
流れる雲
暖かい日射
ネコが腹を出して
ねころんでいる
生ハム食べて
音楽聞いて
香をたいて
コーヒー飲んで
パンケーキ焼いて
ブルーベリージャムつけて
食べながら
詩を ....
憎しみとは
薄れるものなのだろうか
久しぶりに聴いた
アイツのしゃがれ声
込み上げる感情は
憎しみとは違う
何故だろう
なみだがでた
....
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
水の調べは心地いい
水面の{ルビ泡=あぶく}をよく見てご覧
生まれて直ぐの{ルビ泡=あぶく}たちは
列になった ....
冬に生きる人は
厚い皮 ぎらり ひかりをはね返す
時が来たら 脱ぎ捨ててしまうのに
知らん顔で
最初からそうであったように
血の冷たさを ささやく
僕は月夜
僕の飲む
お茶は熱い
氷は溶けて
水の中にある
トーストの切れ目
ジャムを塗り込む
左に茶葉
きっと苦い色
髪をすくう街路からの星
冷たいテーブル
....
ソウル出身の彼女は
まるで人形のよう
おかっぱの髪は艶々していて
肌はプリプリ
瞬きをあまりせず
その大きな目で見つめられると
魂を奪われてしまいそう
そんな君でも
酸素を吸って
....
何万回の
昼夜を重ねても
癒せない
癒せない傷
僕はまるで
思い出に縛られた
牢人みたいだ
あの思い出
あの思い出
あの思い出
傷は深く
痛みは激しい
僕は思い出の迷宮に
....
目が腫れるまで
言葉をつぎはぎして
しんぞうとのうみそを
縫い合わせておきたかった
調和と統合と平和の
マルの中で
哲学から解放されたかった
天地がひっくり返って、
宇宙人が攻めて ....
時のない部屋
リノリウムが
おれの心を締め付ける
椅子に座って一人
いるはずのない
おれの友が笑っている
おれは永遠に
その輪から遠ざかる
心の底に
沈み
漂う
....
利口な訳を積み上げてここまで登って来れました。
出任せばっかの言葉が先立ち途方も無い世界を広げる。
自分で自分が分からぬままの足取りと、あやふやな自我の型を持て余して。
さあ、何処へ行こう。何処 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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