ぼくは少年のころ
特別な存在だった
月光が家の前の袋小路を照らすころに
宇宙から迎えの使者がくるはずだった
トイレの中の窓がまぶしく光る夜
ぼくは何事かと小窓をあける
袋小路に円筒の光 ....
考え込みすぎてキャパシティオーバーな頭
芸能人の名前がすぐに思い出せなくなってさ
英単語も右耳から左耳へ抜け落ちる
言葉も靄にかかったみたいで
論理的じゃないのは理解ってるつもり
悩みも ....
地図は
本当は燃えない
灰になることがない
もっともっと広く
鳥になって
俯瞰しろ
宇宙の鳥にでも
なればいいんだ
ちくしょう
地図は焼け消えない
どこまでもそれは存在して
脅か ....
頼るだけの愛は、脆い
だから
愛をいそがないで
あなただけが頼りだった。今はもう、私の老いた手は土を掘ることしかできない。かつて嗅いだあなたの匂いにもまして、この土が私をむせかえらせるのなら、あなただけが頼りだったあの年月は、今はもう、太陽のように ....
ひとつの僕だ
声の自分を
言葉には見つめさせられた 寂しさが
寂しさの 声にあふれた
僕を立っているのだ
ここに 孤独として立っているので
景色としては 終わっている
ひとは
好きと気づいたとき
不思議にも
何の抵抗も感じない
ひとは
嫌いと気づくとき
残酷にも
何の躊躇いも感じない
己が血潮に身を委ね
驚くほど素直に
それを享受する ....
毎晩電話を切る前にあなたは
愛してるよ、と必ず言う
それは日課のような響きで
外国の映画で俳優さんが発音する
アイラブユー、のようなスィートな感じはなく
なぜ毎晩決まって言うのだろう、と私は ....
拝啓 リョウタロウ君
ぼくは君の立つ位置を知らない
君の電話番号も 住所も 風向きも
君は 積もった雪をかきながら
眼下に広がる田園に額の汗を拭い
そしてゆっくりと
倒れていったという
....
例年通り僕の誕生日は雨だった
街の所々から音泉が湧き出ていた
それは素晴らしい日々の幕開けだろう
それ以外は考えられなかった
なんなんだろう
この不思議な気持は
プ ....
いき・いき・息をする
いきている、
それはとうといものだって
胎児だって知っている
重金属のスプーンで
カキだされたこどもたち
かれらの蚯蚓のような
ちいさなゆびとゆびに
クレヨン ....
突き刺す様に迫る
新月の闇に呑まれ
永遠を誓った枕話
コイン全て委ねた
一夜のギャンブル
ふたりの愛情物語
達成感先取り
劣等感置いてきぼり
いつの間にか前へ
ワープするためのパスワード
つらいと書いてからい
スパイスは今
終わり甘けりゃ万事OK!
渋さが分かれ ....
八王子市がやって来て卵割りの芸を見せてくれた
節子が死んでもう五カ月になるのか
節子の好きだった清元はもう見に行きたくない
八王子市は俺のそんな心の中を知る由も無く、卵割りをぽつねんと続けて居る ....
あなたの声で生まれた
僕の心
が
時々いたい
んです
気のせいだと
よく思ってたんですけど
あれは
そういうことだったんだろ ....
地球は丸いのに
底辺があるんだって
堕ちてしまったら
もう戻れないんだって
地球が丸いのは
外から見るからだって
中は三角形で
底があるんだって
てっぺんは尖がってて
おっと ....
打ち上がった花火は
平面として交信するものだから
金の線はちゃんと交わって
そうやって消えていった
昨日の線香毎日香
窓を越して
「ぷすぷす」
光ったうぶ毛を抜いていく
....
よる、みあげれば
いのちのいちに
ひとつのきれいなあかいほし
ルビーみたいなあかではなくて
ガーネットともちがうあか
めのうというにはかがやかで
パパラチアよりもふかいいろ
....
シリウスが西へ傾くのが
日一日と早くなるにつれ
少しずつ膨らんでゆくソメイヨシノ
ですからあれは天狼桜
あちこちでは
星の瞳も瞬き始めています
オオイヌノフグリ、天人唐草
目を凝 ....
鳥の
木々の
呼び声の
数だけきみはそこにいて
移ろうものは移ろいながら
鍵穴の数だけ鍵があるように
いつもおんなじきみを恋うから
きみはすこうしさみしくなるんだ
あま ....
私にも君達にも、「心」というものがあります。
今、わかっているのは、
「心」というのは目に見えるものではなく
とらえどころのない、不思議なものです。
「心」という言葉があるから、 ....
他人に銃口を向けられることと
自分で自分に銃口を向けること
どちらの方が気が楽なのか
私にはまだ分からない
今分かるのはどちらにせよ
あの鳥をこの銃で撃ち落さなくてはいけない ....
せかいちず
の
うえ
に
こども
が
い
く
に
ん
も
たおれている
なみだ
を
とめること
が
できない
生れ落ちたから
生きてきたんだよ
そこが海だったら
泳いでいたはずだよ
生まれた場所がそこだっただけ
幸せってことがみんなとちがっただけ
親に期待をしなくなったのは
家族に夢をも ....
このポットは何にも満たされることはない
なぜなら
何をどれだけ注がれたとて
知れずに欠けた穴から漏れ出す
欠けた穴から減り続けるなら
他のポットに注げるはずなく
....
なにより色の付きやすいあなたが
僕より先に 人ごみの中に入って行く
すべては僕の仕業で
そしてあなたのせいにした
あなたは 拒絶することを知らない
それは 罪だ
....
肩のふれあう距離で
並んで歩いてゆこう
「いっしょに写真は、
....
しぐさが好きだから付き合う
セックスしちゃったから付き合う
酔ったいきおいで付き合う
運命を感じて付き合う
おいしいごはんを食べさせてくれるから
付き合う
価値観が合わない ....
あなたの青は わたしの青ではないのだろう。
あのとき選んだコトバは わたしのものであって
そうではなかった。
水に水がとけてゆく
そのオトが 耳を塞ぐ。
沈んで沈んで沈んで ....
なべ底から泡の首飾りがたち昇る
素早く捕まえ自動で選択
あなたの指はベロアのクッションカバーの匂い
深い緑色の新しい
あなたの指
口に含んで音をきく
髪をひっぱって鎖骨に噛みつ ....
3489 3490 3491 3492 3493 3494 3495 3496 3497 3498 3499 3500 3501 3502 3503 3504 3505 3506 3507 3508 3509 3510 3511 3512 3513 3514 3515 3516 3517 3518 3519 3520 3521 3522 3523 3524 3525 3526 3527 3528 3529
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
4.15sec.