今日もはみだしている
淀みのようなところで
濾過された水が
次の流れへとはみだしていく
必要のないものが残っている
昔大切だったなものが
今は地名のように残っている
....
ある葬儀の前に、
友人と珈琲を飲みに行く。
こんな機会というのもなんだが、
久しぶりの再会で
互いの変わりようについて話をする。
あいつは煙草と一緒にサックスもやめたそうだ。
俺は ....
赤ちゃんはかわいい
赤ちゃんはきもちわるい
赤ちゃんはやわらかい
赤ちゃんはあぶない
夏が
台所に
腐って
うかんでいる
かわいかった
やわらかかった
壁に
首の断面を
押 ....
ああ、わたしほっとして、静かにしていた、一日中未来をながめていた、、
(そうして素敵なことを思い出したりしてユビサキが痛くなった)
(ゆきがふっていたのだっけ)わたしはきっと、 ....
茜色に包まれる公園
母親たちの呼ぶ声
「またね」と
口々に
みんなばらばらになる
ぼくだけが一人
とぼとぼと家路につく
夕暮れ時は逢魔が時
いつもより大きい夕陽が
....
まっさらな雪の上を歩くのはいい。
歩くということがわかるから。
踏み固められた道をゆくのもいい。
{ルビ他人=ひと}の重みがわかるから。
春は私に重いので
春にあわずにゆきたいの
柔らかい風をさけるよに
夜の無音の中をゆく
春は私に重いので
春の言葉をきかないの
すべてを包むあたたかさより
ときおりの冷気がちょうどいい ....
人工的な空間に
とりのこされるような
ある春のいちにち
人工的な、というのは
花曇りの空もようと
コンクリートの
水を含んだ香りのことなんだが
ある春のいちに ....
回ることをやめた
ライン
過程と工程の
限りない
狭間で
先端で
血小板の
ひとつひとつまでもが
記憶している
置き去りにされた
メモ書きの表面がたてる
微かな音を
....
あさのくうきが
ぱちぱち
して
うもれていた
気分の芽を
生やす
てぃりてぃりりり
しまっていました
ゆびとてを
まげて穴にかくれていました
くるぶしのさき
かー ....
数歩先で
立ち止まって
後ろを向く
顔が見えなくなる
何を思うのか
何を考えるのか
何を求めるのか
わからなくなる
だから
地面に写る影が
薄くなってきた時
初めて僕は気付くのだ ....
上の空で眺めれば
淀む気配の疎ましさ
三日月
むら雲漂ふ辺り
ビルの抜き差しならぬ浮世の乱れ
人と人とを結べるものは
物欲の名刺に紙の束
飛べよ ....
水にとけちゃう
なんとも
あっさりと
水を吸い込み
一瞬
存在感を厚くしてみるけど
ぐるりとひとまぜ
なかったことに
あぁ
そんな女にだけは
なりたくなかったの ....
無力感
それは安らかで 静かな時の流れ
どこへ向かうでもなく
心のわだかまり漂っている
とても静かな時の流れ
たとえば鉄の味のする夜に
街がプラタナスの樹木にかわってしまうと
ひしゃげたかみひこうきが
ポストに突っ込まれる
それを開いてみると
不在票と書いてあり
ぼくに郵便物があって
差 ....
自傷天才詩人の
ブラックモア君は
半端な綺麗事ばかり書くなと
僕を罵った
確かに
君の本音剥きだしの綺麗事は
美しいけれど
明らかに
臆面もなく格好つけていいのは
君のほ ....
がんばって がんばって
がんばってるのに
なにやってんだって言われる結果になって
その結果に傷ついてるのは自分なのに
ごめんなさいって言っている
がんばればいいって みんな言うけど
....
北風よ
あわれな枯れ葉を
見捨てておきながら
それでもあると
言い続けるのか
透徹した四次元の警句が
冬陽よ
かなしげなねこぜに
かげを作らせておきながら
それでもないと
....
自殺者が私にこう告白した。
「いつの間にか「シ」という音が俺の全身に転移していった。初めはこの「シ」は「詩」なんだとか「史」なんだとか思おうとしたが、そのような思念の枝分かれ・芽吹きを斬り落として ....
静寂が森の中にしみわたる
そびえ立つ針葉樹が
月の顔色を隠してしまう
オレは一人
さまようでもなく
叫ぶでもなく
ただ、自らの意識を
低く、低く、低く、
目線から逃れるように
....
結果だったり
不安だったり
もしかしたら
疑う自分にだったり
過去だったり
お告げだったり
ぐしゃぐしゃになる
そして泣き出したり
それでも朝が来れば
光を見なき ....
水を飲むように
音楽を採る
人は 僕はもっと音を聞くようにならなければいけない
ピアノの
ギターの
あらゆる楽器の
そのものの音と感触
とてもおおきく広く多角的に偏在するよう ....
そこから溢れだす甘い蜜が
何よりも大好きだ
だからといって
コップにとって飲んだり
ストローで吸ったりしたら
美味しいどころか
少々不気味になるわけで
やっぱり直接この口で
変 ....
気がつくと、俺は漂流していた
大洋のど真ん中に、俺ひとりだった
広い海は恐ろしいほど青く、そして黒かった
小さな板切れに横たわっていた
頼りなく波間に揺られながら
自分が置かれている状況 ....
小さい頃は手の届かないところに欲しいものがあった
お菓子、ジュース、マンガ、写真、お金、ファイル、金魚、双眼鏡、音楽、パソコン、ナイフ、万年筆、電車、雲、夕焼け、日めくりカレンダー、木にひっかかって ....
墨いろの街道
放たれた欲望は
雨上がりの夜にさえ
涙ながして飛んでゆく
飛んでゆく
好きだけじゃ
足りないみたいだ
このせつなさを
春の切実と名づけ ....
風、吹け
強く、吹け
狭い、箱
壊せ壊せ
暑さで
世界が
歪んでる
揺れる揺れる
温度を上げてくこの箱が
今のこの地球写してる
増加していく人類で
減少していく隙間
....
結束は堅い
損得などない
familyは互いに
守る。
肉食的動物
獰猛である。
安心感
気を互いに使う
楽しい
本音が出る。
悲しい時は
共に泣く
何かですらもなくなった風が
何でもなくなった笑顔をほころぶ
釣り船は沈んでしまうような
魚たちを海中に残している
泳ぎ続けたような魚たちが
考え続ける日に流れていく
流れこんだ竿の先を ....
道を森へと歩けば
湖畔に立っているのだと知る
白色を彩った水面を眺めれば
土をゆく石ころでなぞっていく
枝の草葉を歩くほど
母に会おうとする
どこかで思いを抱いた鏡が輝く
手足の指で ....
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