少年は、チョークを手に持っている
軽石かもしれない
壁に描くのはいつも、目。
みゃぁ、と鳴く、猫の、みゃぁ、と鳴かない部分。
少年は、いつも日が暮れる前に帰る
煉瓦の、壁には、破れかかったポスタ ....
うわー、嫌なクラス
始めはそう思っていたけれど
気持ちの持ちようでも変わってくる
鳥がいっぱい鳴いたので
今日は悲しくない日にします
そんな放送が流れてきました
ここは 鳥の街です
鳥は灰色の羽を
震わせて訴える
人間なんて身勝手だと
人間なんて嫌いだと
鳥 ....
ひとりよがりで感じられたものでさえ
奪われた感覚
一片のかけら 遠くに
時のすれ違いに想う共有
空間に淀んだ二つの面影
いつか 共にあり続けると
あおぐ空に ....
さて雨ですよ
冷たいけれども春の雨です
ミクロラプトル・グイ
中国で見つかった小さな恐竜さん
「グイ」は
漢字ではきっと「鬼」なのでしょう
羽根を持ってはいても
多分飛べなかった頃の ....
きみが
熱心に何かのぞきこんでる
気になって
一緒にしゃがんでみる
綿帽子かぶったたんぽぽが
風にまかせて種を飛ばす
みつばちが花のまわりで円舞曲を踊る
アリ達が整然と行進する
....
怠けハタラキアリの話を
聞いたことはありませんか。
ハタラキアリといっても
全員が働いているわけではなく
女王候補でもないのに働かないハタラキアリがいる、
必ずいつも全体の何割かいるという話 ....
一日の疲れを取り
座禅を組む
無になる。
気持ちが晴れる。
また明日も荒野を歩く
世の中が白く霞む
雄叫び上げて
たとえ火の中、水の中
流行の顔で
流行の恋愛で
流行の服で ....
絶対とは個性である。
相対とは比較である。
それはまるで1匹の狼と
群れる魚である。
それはまるで男と
女である。
それはまるで欧米と
日本である。
それはまるでキリスト教と
....
今はまだ
パブロンの空き瓶にしまわれたままのアサガオ
君たちの勇姿を憶えているよ
天を衝くヘカトンケイレス
撓めても矯めても
行灯仕立てなどには収まりようのなかった
蛙手の百手の巨人
....
詩人になるには
若いほうがいい
幼ければ幼いほど
鮮烈なデビューを飾るだろう
「現役高校生詩人!」女の子ならなおのこと
あぁ、詩人には爽やかさがない
下手に熟れている老けた童顔
誰に ....
わたしって
どこまで贅沢なのか
生きてゆく理由も、死んでゆく理由も
どちらも欲しがって
どちらも見失いそうだ
三角屋根の向こう側には、空
その向こう側に潜んでいるようなあたたかい嘘
....
君がオールを漕ぐ
水色の湖にガラス底のボート。
ゆらゆらと
水面に浮かぶ午後の光が
君を映す柔らかな鏡になる。
水中にはいくつも
小さな白い花
手を伸ばして拾いあげる
頬と頬を寄せ ....
3月、無心な空でしたがそこに慈悲はなく
みな不寝の顔をして今日を倦み
姉はウィスキーのミニボトルと5号瓶を入れました
兄はマルクスの共産党宣言上下巻を入れました
私は書きなぐりの長い手紙を入れ ....
永遠の愛とか
無限の可能性とか言われても 困ります
わたしたちは永遠には生きられないのだから
わたしにとって愛とは 残り少ない歯磨き粉のようなもの
早く買い換えようなんて思いません
最後の最 ....
忙しい日々のレールを脱線するように
不意に訪れた長い休暇
病室のベッドに横たわる僕は
窓外に立つ
独りの樹の葉群を躍らせる
風、を視ていた。
( きらきらと、協奏曲の奏でる ....
交差点の真ん中に
ダチョウが一頭立っている
たくさんの車や騒音に驚きもせず
ただ悠然としている
身長二メートル数十センチ
人より背は高いけれど
人がつくった周りの建物は ....
おれは一体、何処へ往く?
別れを千切って、歩みゆく
空っぽの缶からを
虚ろな片手で、握りしめ
おれは一体、何処へ往く?
愛しい花を置き去りに
ひとつの小石を
震える片手 ....
あたしたち、地球で死ねるから、しあわせだよ、
ヨシミがユキオの部屋に遊びに来ていた
2時間半かけてヨシミを迎えに行き2時間半かけてヨシミを連れて戻りユキオはヨシミの胸にたくさんの歯型をつけた
....
ほら
真っ黒な風が
掃き付け壁みたいな傷と
戯れてるぞ
雑木林の真上で渦巻くものは
ボイラーから沸き立つ煙だろ
煤塵の腹のしたで
桜色に染まる三日月も
呼吸器の音色も まっ白い ....
本気で愛だの恋だの求めているのか
チンポだかマンコだかが欲しいだけだろ
足りねェガキのまま社会に放り出され
今日まで生きさらばえて来たんだろ
額を壁に打ち付けろ
....
2008年に壊れてしまった言葉は私の中に眠っている
お前なんか嫌いだ
そう言われたとき昔のことを思い出した
ちかちゃんなんか嫌いだ
私は確かに何度も何度も口にした
風船みたいな愛しい ....
「それでも傷をナメあうのではなく 共に誇らしくここで笑い合いたい」 (Dragon Ash)
友人が遺した言葉に再び想う。
つらい時は、時には、傷をナメあおう。
また時には一緒に笑 ....
髪を束ねた
まだ十代の古典的なわたしが映る
露わになる輪郭が湿らせる傷痕
二度と同じ過ちを冒さないために
今がある現実に撫でまわされるこころ
束ねるという行為は
過去を受け止めるという ....
四ツに割ったリンゴを
庭の木の枝に刺しておく
この冬を越せますように
ヒヨドリたち
どうか無事に越せますように
海峡を越えていく鳥もあるという
敵に襲われぬよう波のうえ低く
群れ ....
ちゃちな威勢
ちゃちな助力
ちゃちな矛盾
岩を破壊
牛を破壊
村を破壊
時間が切れて
星が飛ぶ
溝から青虫
空が緋に
大学生のぼくが朝おきて携帯をみて駅から電車に乗って学校で友達に会って
帰り道にスーパーマーケットに寄って出来合いのお惣菜と鮭を買って
うちに帰って焼いて食ってテレビを見てお風呂に入ってメールして
....
しゃっくりの止め方は地方によっても千差万別
うちの方じゃあ後ろから羽交い絞めにして殺しちゃうけどね
そういう物騒なことを言い出す人がいないとも限らないから
わたしは人前で絶対にしゃっくりをしない ....
悪意を瓶詰にして冷凍したら腐った
下水道に流したら詰まったから困る
こういう日は何をやっても全然駄目で
けつに蓮根を挿して排便したら大変な事になった
もう明日からは煙草をやめよう
仕事を探し ....
わたし、を閉じ込めた包み紙がべたべたする悪夢を
かなでる色彩の
調律に
まどった
はじめに黒を描いたのは
いちいち死んでいく感情のモノクロームを撫ぜるため、
であって
硬質のうみの底 ....
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