記憶していたものは嘘だった。
時計のアラームが鳴る。
すでに世界は光に満ちている。
思い返すほどもなく、記憶は消えていく。
夢は、触れた肌、触れられた肌。
夢は消えていく。
私は使い古した水瓶の中にいた。
水は蒸発しかかっていて、僅かに足にへばり付くばかり。
ある日、大きな両の手がその空間の天井をずらし、私を拾い上げた。薄目で見下ろした水瓶の内壁には、藻のようなものが ....
僕らは
どうでもいいんだけど と言いながら
また大事な話をはじめる
ときおり必ず眠いと言いながら
タバコなんてやめたいと言いながら
コーラが
約束事のように置かれている
ポテトが ....
虚ろな空を切り抜いて
僕らは少し安心する
ボクラトカクノガキニサワルノナラ
ボクハトカコウ
形ないものに
形を与えたのは
先人の知恵だろう
....
まだ弱い陽気の下
雪の溶けきらない冷たい土と
微かに香る風
淡いピンク色の季節が
小さな葉を広げた
抱かれた温もりはゆりかご
湯船の揺らぎは子守唄
すやすやと寝息をたてはじめて
黄 ....
夜が来る前に
明日がはじまって
あわただしい町に
「いつかの未来の幸せを
おひとついかが?」と
販売車
昨日の味がするミント
これからのバニラと
はるか遠くのチョコレート
どれも ....
アイ、ポエット。
君よ知るやその三原則
いったい誰なら
真に詩を弁えているなどと言えるだろう
有るか無きかの何かの在り処
きっとどこかにはあるって
つまりそれが
見失って以来久し ....
洋上の桜前線
ありがとう、ようこそ
今年もこの島々を見つけてくれて
スルーしないで訪ねてくれて
明るい午後六時
三月の十月桜
ひとたちはみな暖かくなると桜が咲くと思ってる
冬の眠 ....
きみ達白紙の本を熱心に読みといている
あなた壮大なバグの中に隠れている
わたし達名前をつけられた幻
わたし達真実めいた嘘
きみ達音楽めいた音、楽器のような木材
あなた指揮棒を探している
....
私って口下手過ぎるよね
神田東松下町にある小さな問屋さんで面接受けたあと
どこをどう歩いてきたのか
気がつけば聖橋の上から鈍く光る中央線の鉄路を眺めていた
ここから飛び降りたとしてもね ....
黄砂か花粉かフィルター越しに太陽が鏡のように光っていた
高速を飛ばしているとなんとなく蛇のお腹のなかをゆくような感じがした
それがシバタさんと今のじぶんの関係を思いおこさせるのだった
引き継ぎの ....
歩く
未来を消費して今になる
という表現が気付けば過去に変わっていく
思い付いた何もかもが遅い
電光石火のタイムラグ
歩く
可能 ....
道端の
小さな花を眺めれば
これ以上何を望めばよいのだろうと
私は誰彼無しに問いかけたい
「声の事」
誰にも聞こえない
小さな声がする
誰にも見えない
僕の隣にいるはずの声
どんなに騒がしい場所でも
僕にだけ聞こえる声
どんなに静かな場所でも
僕にだけ見える声
「 ....
ママが言うよ
あの子は良い子だったのに
パパが言うよ
自分を大事にしないといけない
弟が言うよ
あいつはいい奴だよ
妹が言うよ
あの人のほうが絶対幸せにしてく ....
重たい色の唇と
言われたらしい
なんだって
導線から外れたら
振り出した足の小指から
じわじわ疎外されてしまう
単なる一歩は丹念に
親指から親指へ
カラーテープをみつめて
重心を ....
彼女のすすめに従って
スライサーで挽いたにんじんを
生地にこっそり加えてみた
これを食べたあかつきには
中身をあかし
達成の喜びをともに味わおう
アイ アム ア ネゴシエーター
....
いつからだろう
あたしの中の蛇が
どんどん大きくなりだしたのは
あたしの最近の奇行
はじけっぷり
何か 内なるものが
爆発するような
高揚感・・・
自分で自分を抑えることが ....
いつのまにかすれちがって
もうであわない
ペールブルーを背景に
ハクモクレンが
私は孤独です
わたしはこえにだしていってみる
わたしはこどくです
私は声に出して言ってみる
いつ ....
ビニール傘に積もっていく雪を見ていたら君のことを思い出したんだ
あのとき手を差し伸べることが出来ていたならきっと
二人に違う運命が訪れていたのかも知れないと思いながら今日
つるつると ....
何十年か生きてきた
誰からも好かれてて
友達もたくさんいる
どこへ行っても視線を集めて
なにをやっても素早く注目させ
強い意志を全面に押し出し
弱い部分をちょっとだけ見せて
外向けの ....
僕は死体で 君は春風で
君は僕の頬をなぜてゆく
僕は横たわりながら君の温かさにとけてゆく
春のゆめはとうとい
僕は待っている
春の風にまぎれて君があいにくるのを
僕はもうしんでいる し ....
家も建たない
子供も遊ばない
猫も歩かない
犬も吠えない
車も走らない
畑も実らない
川も流れない
鳥も飛ばない
灯もともらない
漆黒の空
誰もおれの庭に現れない
五 ....
お日様が番屋ヶ峰の後ろに帰ると
空まで水がいっぱいになった
蒼い浜辺
小さな花が 黄色く光っている
舫を放たれた漁船が
上に 下に
あるものは沖に
あるものは山に 泳いでいく ....
光りがこぼれ
海鳴りが、さわがしい
海峡は、もう春の白波をたたえていました
モザイクのような潮の流れに
遠く、
アシカたちの群れる灯台の島は、にぎやかさを増して、
その鳴き声を潮風にの ....
三十九にしては
綺麗な奥さんだね
ありがとう
少し高そうな
靴を贈りたくなると
君は言う
ありがとう
休日出勤の朝
肩を揉んでくれた
君が産んだ
子供と二人で
....
‐
脆くて壊れやすいものなど
誰も好みやしない
でも…
頑丈過ぎると
大切にすること
わからなくなるよね
/
思うべきでも来ないでもないのかな
母のことを思い浮かべ居直ることすらなく
放っていく日の岸を漕いでさえ
誰のつてもないものだと悲しさにされ
けれどボートの杭に言い直そうかという気がした ....
行き止まりの道には壁があり
壊すか戻るかどうしようか
彼は言う
「壊すのだ」と言う
彼女は言う
「戻るのだ」と言う
私は言う
「迷うのだ」と言う
そして誰かが言う ....
信号機に勝間和代よじ登る春ポジティブ
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