線をひく
二本の
それはノートからはみだして
線路のように
のびてゆく
そこからさきは
やめなさいとだけいわれるところ
だが二本の線は
平行をつづけてしまう
だれかが ....
雨の日の傘 最近は黒が多い気がするが
むしろささない人の群れの中
溶け込んでいるか不安な私
濡れて歩く自信がないので
傘さして 肩をすくめて歩きます
ななめに顔を隠しながら
午後まで続 ....
1
霧に包まれた類人猿の咆哮は
全ての言葉を包み込んだ
異様な振動を部屋の中に持ち込む
全ての言葉は何の目的で語られているのか
不明
類人猿は苛立 ....
焼野の匂いがして参りました
屹度戦が今し方終わったのでせうね
貴方は仰向けになって居るので
私からは貴方の顔を拝見出来ません
だうか此方を向いてはくれませんか
体を揺するだけでは困ります ....
絞ったばかりの洗濯物が
油汚れに黄ばみ汗ばみ
色柄物の色まで落ちてる
あの店員ときたら
わざわざ説明してくれたよ
オマケにシャンプーリンスの試供品付けて
色柄白物を分けることなく
....
右手には拳銃を持ち
誰も居ないデパートで刺客に追われる
私が狙っているのは赤髪の少女
怯えながら逃げるその女を殺すこと
エレベーターを逆に駆け上り
デパート内を逃げながら追いかける
ま ....
二十歳になる前の日
やることもなくて
働いていた
変わりない生活
何かが新しく
変わるわけじゃない
分かってた
ただ
天文学上
戸籍上
二十歳になる
それだけのこと
....
ペンを握り使い古した言葉を
並べ立てている今この時
浪費している空気や水や食べ物への
謝罪の要求はすべて終わった後にしてくれ
やり残していることなんて
実は思っていたより無い
血の巡り ....
お好み焼きちょうだい
と声かけて
奥からハーイと生返事
大丈夫かなぁと思いながら
しばらく待っていれば
窓の外に山が見える
頂上はきれいな銀灰色
杉の梢は空高く
引っ張ればぼろっと落ち ....
雨の広がる匂い
土の匂い
黒みを増して
透明に変わる
アスファルト
つやりと光る
紅い新芽
杉の匂い
色とりどりの
揺れるパンジー
バス
窓に描く直線
囁く猥談
アナ ....
ぱっと広がる白い空から
ゆらゆら落ちてきた 見上げたら
一瞬だけ変わった
何にもなれなかった君が歩いてる 背負った猫背も板につく
後ろからもう一人歩いてる 木枯らしに当たったら砕けそうな
....
眠たいね
(そ)んなこたないさ
もう日がのぼってる
(そ)んなのは嘘さ
僕らは疲れてるし もう充分過ぎる位働いたよ
でもだれにくらべて
いつも誰かと自分を比べてたら
気づいて ....
林檎のかおりがする 天の河
もう随分と走ってきた
星へのひとり旅
白十字も恐竜の化石の海岸も通り越し
鳥を獲る人は、とうに降りてしまったし
銀のすすきの野をみるために
列車の窓を開 ....
空っぽエンプティの神様は
融通がきかない
シジフォスのように岩を
頂に押し上げる
朝から雨だと
出かける気がしないのは
小学生の頃から
変わらない
生きていることにテーマはない
....
雨が涙を少し残して去った後
生温い風のにおい
また春を積み重ねて
いつの間にか大人になんかなって
“新しい今の暮らしは愛おしいものです”
誰にどう説明すればいいのかも分からず
切なげな ....
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
板が立てかけられているところに
通りがかって横目で見ていると
いい板だよ と呼び止められて
いい板なら とその気になった
でも板なんか買って
どうするんだろう
黒い油が浮いた板なんか
壁 ....
眠れない時計が
明け方を待っている
西を向いて
閉め忘れた
数センチの隙間から
冷たい夜が流れ込んできて
文字盤に触れたのち
硝子の両側で結露する
時刻を不確かに
温度差 ....
世界樹の底に
獣のように眠る
深い緑の牢番
あの扉を越えなければ
心配事はなにもない
蓋【おお】い被せるものが
哀しさならば
優しい雨露【うろ】に打たれよう
今も
痞【つか】えた 闇は
いつか 晴れると
信じて
瑞樹【みず ....
空蝉【うつせみ】に見えし
我の心鏡は
棚引く煙霞【えんか】なれば
一夜の夢の如く
砂時計が刻む瞬間【とき】も
また
永遠とも言えよう
流れ 流され ....
あまりに突然で
わたしは馬鹿みたいにさっきまでの笑顔をはりつけたまま
立ち尽くした
また子供の頃のことを思い出した
喜ばせようと思ったのに
ぴしゃ ....
輪郭は崩れながら鋭敏さを取り戻していく
遥遠として未来くらい手触りがなく
僕の向こう側で僕の知らない自分を噛み砕いて
ただ読むことも出来ない活字の内側に
足跡を残しては消していく
c ....
はじめに 言っておく
これから 乱雑で 長く 暗い 旅が始まる
生き急いでいる奴は
目を閉じて 耳を塞ぎ 無言で 通り過ぎろ それが無難だ
鼻を突く薄荷の刺 ....
こどものわたしの
ちいさなきもちは
いつもひとり
だれといても
どこにいても
おんなじきもちが
みつからない
おんなじきもちに
あいたいな
すこしおおきくなった
わ ....
中性的な空気 埃にまみれた
私は、望んでいる
私はそう「望んでいる」
目ヤニが溜まった白濁のハトも「…青になりました…」
....
心地いい。悲しみを何でもないこととして想像もしないことを考えている。死んでいけばいいのだが、ひどく疲れ果てている。そうしたことをのんびりとした平日の日に休むと言っている体だから、気が引けてしまう。新参 ....
宿題のない私は
上り坂の頂点で飛行機と出会った
青と白のきれいな紛争に
足を止め目を細め 見上げた
この旅はすぐに終わるだろう
私よりも早いだろう
この空にはとんびがいない
もういない
....
100426
ヤバイというよりも
お些末
こまったちゃんですこと
(炬燵の中野駅は途方に暮れる)
(納戸も悔やむが好いと)
(物置 ....
こうしてめぐり会う
影法師のように
どこまで逃げても無駄さ
君の両足が見えるかい
そうしてめぐり会う
時計の針のように
いくら逃げても無駄さ
君にその先が見えるかい
ああしてめ ....
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