虫だ
まるで
飛散する影みたい
なにかが 高架橋から
手を差し伸べる
亡霊の
薄水色の
枯れた枝だ
ピントのずれた
ミズドリの
滞空する世界
その小さ ....
言葉で重い、自転車を
曳いて行く覚悟はあるのか
バランスの悪い身体を
何にも、拘束せず
いつでも自らを沈めることのできる
深い穴を近くに置きながら。
....
水曜日の夜明け前
午前3時に起きたからって
別に魚河岸に行こうってんじゃないんだ
ただ奇妙な夢にうなされて
凍えた静寂の音の真っ只中に
目覚めてしまっただけなんだ
夢の中でおれは岩 ....
指先よりも遠い空
青い姿で広々と
全部包んでくれそうだから
甘えた声を出しました
横切ってゆく白い猫
ちらりと横目で振り返り
しっぽをつんっと尖らせました
お前なんかは相手にされ ....
たまにしか見ない子が来ても
近所の子どもが集まると
すぐに仲間になって遊ぶ
長兄はこのあたりのリーダー
ビー玉をしようといいだした
みんな家にかえって
自分のビー玉をもって
ふたたび ....
はてしない空の
果てしない青さに融けて
リーダーのもと 小雀たちは円舞している
生と愛の真姿をオードして
そして虚空からは
風の伯爵夫人が
....
すまし顔して立っている木や
憂い顔している電灯は
いったいなぜ
四角く丸くなめらかでいるのか
尋ねたって応えやしないけれども
なんとなくさえ浮かばない
到底呑み込め ....
私があなたを
隙のないくらい怒らせてしまうのは
私を思うあなたが見たいから
だってそうでしょう
すれ違いたまにぶつかる街人でないのだから
静かに噛みつかないで
伸び ....
100501
左前に着たカーディガン
朱色の毛糸が縺れながら
ボタンを嵌めるのが面倒だと自転車に飛び乗ってかぶりつけないハンチングを見せつけるた ....
やわらかな日差しと
浮かれる街に誘われて
少し冒険に行ってきました
普段電車に乗らない私にとって
キップを買うことから冒険なのです
ペットボトルを開けるのに必要な力加減と
ポテトチップ ....
風と分かれて山の頂きを下った
雲に揺られて浮かんでた
ぬくもりに隠れた姿でも
いられなくて
根雪にひそりと 響く
足跡から溶けていく
風は海から共に
重ならないから指をのばし
....
影をさらう
私の視線の深淵には
沈黙が重なり積もって
闇が冴えかえっている
それはそれは
静けさの
みちみちて
無表情におかしいくらい
青ざめ冷たい
微笑だ
いいえ
初めての
....
何百年経とうが
根底に潜む感情だけは
除去出来ない
理解しているつもりでも
想いが深ければ
それだけ傷も深くなる
いずれ
おれは裁きを受けるだろう ....
今のきみ最低だから
ぼくは
きみのこと慰めるだけにしておくね
脱ぎさしの服、腕足の長さ分ペッタリ閉じ
丸まったそのカタマリ。混ざり。
読まなくなった絵本。何冊も
埃をかぶった小物たちは残り物の中の残りもの
隠れるのは季節外れ ....
わたしのなかには
ちちとははがいる
それがわたしだ
かんがえごとばかり
してるははと
せわしなくうごいてばかり
いるちちと
ちちはははに
しんぱいないという
はは ....
内容のない言葉を作らさられた。けれどこんな風にして一日中、時間に引っかかるようにしている俺は、古びれた街に向かって歩こう。声を交わしたすべての人の古風な言葉に流れを任せている。立ちつくさせられた土地を ....
このじどうてきあおがえる
けr
ろ
きろ
ジィ
服
脱げ
冷たい目で ひんむけっ
白く曲がった肉
ふくらんできた
そ ....
どこの誰かは知られたくない
知られりゃ捕まるに決まってる
ほんとうに偶然なの
女子トイレに入ったのも
汚物入れの中を覗いたのも
そこにあったものを拾って
ポケットにしまったのも
あな ....
川に落ちた。
ゴルフ場は光を放ち、点を消した。この世から、
あの世まで。それでも闇は、この世からあの世までを溶け合わせる。
触れる、ゴルフ場の光。
飛んでこない、ゴルフボール。
びゅん、びゅ ....
かかとの痛みで目を覚ます
起き上がって見ると 猫がかじりついている
しっしっと追い払う
そしてまた夢に戻る
夢の中でわたしは井戸のそばにいる
これから家に帰るところで
桶を抱えて立ちす ....
沈黙が支配するこの食卓に
鎮座するピーマンは
この世の無常を憂う
ベジタリアンの王様だ。
当たり前のことを
当たり前にやるのが
当たり前な人間だとしたら
当たり前なことを
当たり前にやれない
私という人間は ヒトではないのかな
認めたくないけど そうなのかもしれ ....
「神の定めに従って、わたしはあなたを妻とします。
今から後、
幸いなときも災いのときも、
豊かなときも貧しいときも、
健康なときも病気のときも、
あなたを愛し、あなたを敬い、あ ....
プラスチックスケルトンのドル箱を撃つ銀玉の雨音に
バラバラとやかましく鳴る確率変動の音に
俺は俺の二十代を捧げ
おばけにツバを吐き
ラオウを天に還し ....
小さなライオンが路地裏で死ぬ頃
サバンナは青かった。
薄暗いゴミ箱で響く遠吠えは
誰も返さないまま
積み重なってコンクリートにヒビを作る。
足首を
引きずって
口を開けるんだ
....
1人ひとりきりバスは最終
こんなときは歌ってみる
コーヒーと満足と"Bah, humbug."
見てあいつあたしと同じ
夜風が抱きに来るから断る
指先からは涙も散る
....
おとうさん、
首をひねるたびに
うわごとみたいに
「痛いっ」、「痛いっ」っていうの
がなんでか、なんでなおらないのか、よくわかりません、
ほんとうにいたいときしかそういうこと、くちにださない ....
空と海の境界線が曖昧な場所
「思考の海に溺れていたいんだ」
理解できなかった貴方の言葉を今 思い出している
わかりたいと想うことすら許さずに
唯一を願う私に唯一 嘲笑を向け ....
一人が好きなわたしも
一人が嫌いな私も
わたしだから
嫌いになんてなれないの
わたしがわたしを嫌いになったら
お仕舞いだもの
3431 3432 3433 3434 3435 3436 3437 3438 3439 3440 3441 3442 3443 3444 3445 3446 3447 3448 3449 3450 3451 3452 3453 3454 3455 3456 3457 3458 3459 3460 3461 3462 3463 3464 3465 3466 3467 3468 3469 3470 3471
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