母の手帳をめくっては
白いページに引かれた座標を見つめる
そこにある数字を
眺めている日曜日に
染み付いた家族を
過去として忘れ
移ろいゆく春に
薔薇のわきたつ香りをかいでいる
....
目黒駅から押し出されると
長い坂道を下り 目黒川を渡った
チケットの半券を握りしめた 僕は
汗まみれで 一言も口にしない花粉症だった
桜が咲くにはまだ 冷たすぎる
緑色の水面に チケット ....
春の水っぽい匂いがユキオにはなんだか他人事のようだった
グシャグシャにつぶされた空き缶が朝の風に音を立てた
ユキオはそれを視界に入れないようにして会社へと急いだ
いつもより会社の朝はそわそわ ....
きのうの満月を空に探すのを忘れていた
期末が三月なので売上のサキヨミとその検証、P/Lのシミュレーションなどでこんな時間になっていた
クルマから出ると春の夜の匂いがした
涼やかな水っぽい匂い ....
ちゅんちゅんと
すずめたち
軽やかになったすずめたち
さえずっている
ちーちーぱっぱのちーぱーちーへようこそ
花びらと花びらの
ソル イ ソンブラ
プル アール パタ は
花と葉っ ....
気まぐれに
財布の中に余っている
一円玉を
四角い箱の中に
ごみを捨てるように投げ込む
世界を救出したヒーローのように
小銭の無機質な響きを
慈悲深い顔に刻み込むおまえ
....
ひとは詩を
いつから声に出して読まなくなったのだろうか
ひとは詩を
いつから紙に書くようになったのだろうか
こんなにも紙が溢れてなくて
字が読める人そのものも限られていた時代には
....
あなた、
最寄りの駅はどこですか
そこから
どこへ行けますか
最寄りの
冬、はどこですか
どうして暖をとりますか
最寄りの
橋、はどこですか
どこ ....
薄暗い部屋の中で
与えられたものは
桑の葉、でした。
退化した前足では
木にしがみついて
いることができず
放たれれば、すぐ
落ち、ほぼ全滅。
家畜化された、虫
成虫ですら飛べず
大人のくせに、虫
....
先生がおっしゃることにはだとか
校長先生のお話だとかは
時間外勤務なんです。
徒歩15分の交通費すら出やしない。
今のご時世けちんぼ神様。
....
新しい春の香りに
やわらかな陽射し 心の窓に射し込んで
広がっていく 溢れる気持ち
笑顔に変わる
またやわらかく強い世界創られて
生きる強さ 微笑みに溢れる
今日の夕食は、牛のステーキだった
レアにしろ、ミディアムにしろ
それはもう食べ物にしか見えなかった
それはほんの少し、葡萄畑の匂いがした
僕達は一瞬だけ、目一杯の緑
風を感じてしまったのだ
....
やけどみたいに広がった傷跡は
消えないこれからも私からは
生まれたこと
生きてきたこと
ここまできたこと
に どんな意味があったのか
まだわからない
生きる意味がわからないから
....
思う。
こうありたかった。
指向ということを気にしなくてよかった、問題にすらならなかった。
傍らへの疑いなどなかった。
今もこうありたかった。
どこに投じる身もなくて、丸める背中 ....
考えれば考えるほど
何もかも嫌になってしまう3月某日
空があまりにどんよりしてやさしいから
ついつい泣き言をいいたくなってしまう昼下がり
生きるための理由がどうしても必要だから
....
太陽の下で、町には向日葵が咲き乱れていた。
待望の赤ん坊は、女の子だった。
腕のなかに眠る小さな娘をみて
母親は待ち望んだ願いがついに叶えられたことを知った。
夫は、妻である母親を顧み ....
俯いている
苛立ちはこころを駆け
涙は机に下垂る
ー愛に育まれた女たちは
夜は眠る時間だと
知っているから
....
底辺まで下がっておいで
駆け抜ける前にさ
情熱はくすぶっている
くすぶるのも忘れている
悲しみは腐っていく
そりゃそうさ
もてあそびすぎた
だろ?
消えないで灯火
そうやって願っている
月はまだ見 ....
World Edge Rainbow
今まで溜め込んだ 数え切れない悲しみや絶望
全部集めたら たくさんの涙が流れたんだ
雨みたいに それは暗い夜に降り注いだ
朝になって 太陽が昇 ....
喧噪の夢がわたしを包む
喧噪は連鎖になりわたしをぐるぐる取り囲む
もはや出口はない
頭に白い注射器を射し込み連鎖を中和させる
軈て霧が訪れ眠りへと誘う
太陽が瞼を撫で
眠りから醒めても ....
髪の毛を切ってもらう
ばさり、ばさり、
あぁ、この人の芸術品になってゆく
ワタシ
きっと君は
まわりのいのちと深く関わり過ぎてしまうんだね
それはどうしようもない
どうしようもないことだけど
空に小鳥がさえずり
天は飽くまでも高く
雲は雄大にたなびく
大地は鬱蒼と ....
「正義はかならず悪に勝つ!」
今日も流れるヒーローの決めセリフ
でも「正義」って勝手に自分が正しいと思っているものでしょう?
「悪」っていわれてる人たちにも正しいと思って ....
「わぁ、このハムスターやすーい!」
「ねぇ、かってかってー」
ハムスターの命がたったこれっぽっち
人間の命は計り知れないのに
「そんなこと言ってたら、ペットなんて飼 ....
みんなの前では
いつも太陽の君だけど
雨でも曇りでも
時には空を切り裂く
稲妻でもいいんだよ?
僕らは雨上がりに
雲の切れ間から射す
光 ....
ちっちゃくたって
大空を
飛べるんだ
ひとりの心の器じゃ
受け止められない大きな愛も
みんなの心の器を寄せ合えば
きっと・・・
受け止められるよね?
きっとたくさんそそげるよね
瞬きの間に世界が反転したような疼き
ただ真っ白な洗面所にめり込むほど顔を落として
流れ落ちる水のうねりは熱意のない鎮魂歌のよう
午前6時の切断は排水溝に埋葬される
....
笑顔を魅せる希望の空
咲き並ぶひまわりの群れ
感謝の気持ちを表して
季節伝える
愛しさが弱さになった夜
涙でにじんだ手を握りしめ
鏡に映った自分に求める答え
....
鳥が惜し気もなく近づいてくるのは
私達の間に窓があるからだろう
だから私は捕まえて、檻に入れる
柵の隙間から指を差し伸べ
初めてその声を耳にする
それがなんて悲しかったこ ....
3429 3430 3431 3432 3433 3434 3435 3436 3437 3438 3439 3440 3441 3442 3443 3444 3445 3446 3447 3448 3449 3450 3451 3452 3453 3454 3455 3456 3457 3458 3459 3460 3461 3462 3463 3464 3465 3466 3467 3468 3469
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.36sec.