隙間なくアスファルトに落ちる雨
高架を走り去る陸送トラックたちが濡れた地面を蹴るタイヤの音
埃を洗い流すように 雨は大地を清める
渇き気味の心を優しく癒すような雨の ....
へえ、そうなんだぁ
今はもう小さな児童公園の近くに祠があるだけで
不忍池と同じくらいの池がここにあったなんて信じられない
畔にあった茶屋のお玉さんが身を投げたのでお玉が池と名づけられたと ....
古ぼけた湯飲みに乗り移った祖母が
あんたもええかげんにしいやと見つめる
ああ
そんな目でみんといて
欠けた茶碗は祖父だった
だいたいお前はお前はお前は
ええい
うるさいうるさい白いご ....
寂しくとも
悲しくとも
背筋を伸ばし
顎(あご)を引き
奥歯を噛み締めて
ゆっくりと歩め
奥のテーブル席で大騒ぎする若者たちを、
バーカウンターの老婦人が睨んでた。
その中間の丸テーブルで本を読みながら、
ポテトフライを食べていた僕は
トマトディップがなくなってカウンターにもら ....
力を抜いて、目を閉じて、部屋の天井を見上げる。
蛍光灯の光が瞼にかすかに暖かい。
冬の冷たい空気も、夏のうだるような暑さも覚えてる。
初めてこの部屋に来たときのことも。
部屋は私を守ってくれた ....
ここでは誰も眠らないので、私はとても珍しがられた
どうして一日のうちそんなにも動かなくなる時間があるのか?
不便じゃないのか? 退屈じゃないのか?
たまにムニャムニャ言ってるのは何なのかと
....
すでに巣食う私の心には
あまりにも重い言葉だと思うのです
色に例えるなら、情熱的な赤
でも、静かに降り続ける霧雨のように
柔らかくこの手を濡らすもの
傍から見れば「幸せの象徴」のよう ....
井戸の底みたいなところに家がありまして
見上げる。
そんな様な毎日ですね。
別に不幸だなんてそんな思ったりしませんよ?
自分で決めることですもんね。
いや・・でもどうだろう流石にたまにごくご ....
きっと、この言葉は追憶なのだろう
わだかまって ほぐれて
通り過ぎていく時刻の切れ端に
そっと喜びを置いてみる
滞った唇たちは
波打つ水面さえ忘れて
限りの中で生きる証 ....
雲が重いと人は云う
空と大地に挟まれて
大気が縮こまっている
圧縮されて閉塞感
溜めた吐息がまた重く
上を向いて歩こう
幻視の先にバベルの塔も
蜘蛛の糸も現れずとも
幾万か ....
揺らいだ現実に
眼を伏せ
小さく漏れた溜息に
霞かかる上弦の月は
心模様 そのもの
知ることを躊躇【ためら】いながらも
距離を縮めてゆく
....
波打つ岩
小川がサラリ
蝉の声
雷ゴロリ
子供達の声
楽しい日々
ロック・ミー・アマデウス
オープン・アームズ
自然の演奏会
森の中のピアノの音
雨が降ってきた
晩ご飯は ....
100410
青と赤
どちらがお好きと
鴎の便り
飛行機のような胴体を
すらりと滑り込ませて
人混みの中を行く
美しい人だと ....
胸からぶら下げた
白いプラカードが標的の証
次々に降り注ぐ
憎悪のつぶて
血を吐き
涙を流し
それでも倒れることを許されず
ひたすら意味のないゴールを目指 ....
僕とお茶を。僕と散歩を。僕と夕食を。僕と一晩を。
僕と朝食を。僕と散歩を。僕とお昼を。僕とお茶を。
僕と午睡を。僕と夕食を。僕とキスを。僕とセックスを。
僕と季節を。
僕と一年を。
....
年月とは後悔ではなく
未来にならされるであろう 天国の
他人であり 肉体ではない
芝生の一つ一つの その意志を捉えさせられた
誰かに 夢を追いかける 日曜日の夜を
言葉のかけらすら無くさ ....
春に青さなんてない
あるのは春と言う季節
季節だって便宜上のものだろ?
春なんて空間だって
あるか疑わしいもんだ
青い春じゃなくて
過ぎ去った過去を
青という色で染めたら
きっ ....
前から五列目が空席だったから、
ネームレスマンがそこに座った。
彼女の膝の上で猫が寝ていたから、
ネームレスマンがそのうえに座った。
冷蔵庫でネギが腐っていたから、
ネー ....
アメリカでは
志願すれば
誰でも兵士になれた
九時から五時まで
一時間の
昼休み付きで
日本では
精兵だけが
兵士になれた
一撃で
敵を倒すはずだから
勤務時間も ....
夜な夜な嫁に空気をいれて
一方的に愛をささやき
日の出と共に洗って丸める
むなしくないかと言われるけれど
別にむなしいことはない
俺は嫁を愛しているから
20億円の豪邸を建てたら
お金がすっかり尽き果てて
今日たべる米も買えやしない
貧乏すぎて反吐をついたら
何も出なくて胃液がすっぱい
気分はまるでビタミンC
曲芸仕込まれた
アザラシとかの間にも
上下関係とかあるだろうから
限界感じて諦めてる
兄ちゃんアザラシなんかにも
トップアスリートな
奴らに嫉妬したりして
結局なんだよ
オ ....
篠突く雨の肌寒い日を過ぎて
惨い風に揺さぶられては砌を過ごし、
未だ、未だ幾日かの――
いつとも知れぬ散りぎわを
華やかな夜の影に埋もれ
ふたたび音もなく舞う、桜吹雪
いつか濃い朝靄に ....
しょっぱい雨が滴り落ちる
時折
視界が白くぼやける
火をつけたばかりの煙草の軸に
見事に雨粒がヒットする
もう一粒ヒットして
見事に折られる
温かいはずであった
....
好きなのに
近付けないんじゃなくて
好きだから
近付けない
わざと冷たくしてしまう
本当はもっともっと
色んな事知りたい
触りたい
心の中も頭の中も体も全部知りたいのに
....
それらしいことをいっておけば大丈夫だといわれたので
それらしいことをいうが
その際に異様さを伴う手の動きがあったため
不審がられる
それらしさを伴わない行動にこそ
寛容が必要なのは
若 ....
読むのは億劫だ。なにか話してよ
時は満ちた、海のように
嘘と幻 限りある幻 遠ざかる人 どこからも出て行ける 時間が あった
好き勝手に歌いだした。コントロールされたプログラムの理想を超え ....
読んで 呼んで
私の声を
ぽつ、ぽつ、と
聴いて
自由にして
翔んでいって
とぷん、と
緑の床に沈んで
葡萄色の世界に溺れて
眠り
たゆたう 海
....
カニの甲羅に
雪が降り積もる
ブランコは揺れる
誰かの言葉の
力を借りて
食べ飽きてしまったね
紙の形は
自分の目を覗き込むと
動いている人の
背中が見える ....
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