清水には時々出掛けた
中学から高校を卒業する頃までは
静岡に最も近い隣の市(し)だったから
中学の時 清水港線や静鉄清水市内線に一人で乗りに出掛けた
母親の買ってくれたコニカのカメラに
怪し ....
死んだ後もしばらく
髭は伸び
爪は伸びた
倒産会社の残務整理のように
皮膚はとまどいながら惰性で仕事をした
死が内側から行き渡るには
相応の時間がかかった
この人の腹を拭う
動 ....
あたしもさあ
正義の味方
っつか
そのアシスタントみたいなん
演ってたことあるんよ
んにゃ東映の
あの業界じゃホントに主流の
宇宙刑事
とかじゃなくてさあ
....
たんぽぽの種を舌に載せて
そっとブランデーを流し込む。
夜が更けて
午前二時の時報をラジオが告げるとき
僕はこの世の終わりを視る。
冷やし飴
蕨もち
小さな漁船と
おじいちゃん
ゴツゴツした
大ぶりの自転車に
おじいちゃんは
僕をちょこんと乗せて
潮のかおり
おじいちゃんの
仁丹のかおり
引き潮の ....
どんなに世間を知っていて
言葉で恐怖を並べても
きみ言う”へいき!”にかなわない
どんなに世界を調べてて
理屈で知識を並べても
きみ言う”なんで?”にかなわない
どんな ....
繋ぎそびれた手はあてのない旅に出る前にポケットにしまって、
聞いていなかった話の続きを頭の中で作って笑う。
どうしたの?なんて言われる前に糸口を爪で引っ掻いて剥いだ。
患っている。百も ....
宮沢賢治とは
修羅である。自分の存在を青い有機交流電灯の照明だとする。
人を食らって生きて行く。
焼身願望
人のためとは
赤い眼をした鷺の視線
己 誰かの視線
カンパルネルラの自 ....
瞬間見えた隙間に
飛び込んで
五線譜に記された過去と未来を
現在に引き戻す
柔らかな肉の感触が
夢の中で甦る
もう少し先を見たかったのに
覚醒は強制だ
飛ぶ鳥がいなくなっても
空 ....
得体の知れない自己にさよなら
汚物まみれの過去にさよなら
もはやこの地に神はいない
オレがここにいるために
神を地獄で堕落させることから始めよう
そして
空いた場所 ....
むねからひばながでる
ぜんまいのおもちゃであそんでいたのは
きのうのことだった
そぼがそれをみていた
それはきのうのことではなかった
さんじゅうねんの
としつきがすぎて ....
おおきなつづらを背負っている
つづらを背負って鳥居をくぐる
そこにまっ黒い小坊主が寄ってきて
その中には割れた茶碗が入っているんだろう
ぎっしり詰まっているんだろう
と にやにや笑いながら言 ....
古い服を売却した
レシートはなくしてしまった
疲れていないのだと すべては
何にもない 騙された
何にもない私だった
ものさしで先生にひっぱたかれた 被害者だ
そうして歩けば
すれ違 ....
爪で引っかかれたときの痛みは沸き上がってくるかなしみの熱に似ている
金切り声をあげて泣きじゃくる君の手から生まれたそれは、人類が証明できなかった平行線を僕の頬に刻んだ
君は言葉を暴力的に僕に投げ付 ....
ひとはうまれたとき
いちばん
しゅっせしてる
ぶちょう
とりしまりやく
ひっとうかぶぬし
それどころではない
このせかいで
さいこうのちいを
ひとはうまれたときに ....
にんげんはどんどん美しくなっていく
美しいにんげんが美しいにんげんとけっこんして
より美しいにんげんをうみだす
あまり美しくなかったにんげんも
美しいにんげんとまざりあううちに美しくなる
美 ....
人生 ケ・セラ・セラよ
母の口グセだ
以前のあたしは
母のこの言葉の意味を
斜めからみていた
もっと 真剣に生きろよ
若かったあたしは
そう 思った
いつも一生懸命
....
君が明日自殺しようと思ってたと
さらりとゆう
あなたに話しかけられてなかったら
自殺してたよ
それ、ほんとですか。
....
こないだ酒の席で
目の見えない人と一緒になった。
産まれつきだから
中途失明よりも
葛藤を起こすのは少ないよ。
と、明るく言う。
缶チューハイと缶ビールを
手でまさぐるように ....
初めてプロレスを見に行ったのは
小学生の低学年の頃だと思う。
今はもう無いけれど
中島スポーツセンターに
とうさんが連れてってくれた。
三人兄弟だったのに
ボクだけを連れていってくれた ....
真っ暗に点す
山霧の薄い鞠
電信柱を包み
無味な綿実を育む
粛々と夜を描けるなら
草露に浮かぶ涙も
からかえるのに
緑の看板が ぽつぽつと
糸を引く
小さ ....
買ってきた水槽を膝に抱えて
ひとり部屋に座っている
金魚を入れたかったのに
家のどこを探しても
見つからない
代わりに大切なものを入れようとするけれど
透きとおって中身が見 ....
ものをあつめることは呪われていて
まずあつめたからといってえらくなるわけでない
ますます 下劣になる
あつめればあつめるほど
執着がつよまって
あと 本業で評価をえていないにんげんが
....
夜道
を往く
飛び出さぬように
胸に手をあて
前を屈んで
見れば
アスファルトの
地平線
そびえたつ
家
きっと
扉を開けたら
内臓物が
詰まってるから
....
つつじの季節が訪れた
アベニューのまばらの路肩に
鳥待月は「昭和の日」
北からのかぜが西みなみのかぜに変って
白髪を一挙になびかせる
白骨の丘へと
にびいろの四次元を償却 ....
ちぎられる紙
ちぎる紙
はざま はざま
せめぎあう
扉の前の
やわらかな不都合
光の前の
しじま つまさき
背のびをして しずく
背のびをして 白詰草 ....
四月
{引用=Ape real et p reel
A pull eel Apple wheel}
赤いあめ玉あなたにあげる
あまいあまあい愛をあげるよ
あたしのあんよはあめんぼ ....
メシを腹一杯
残飯を漁る犬みたいに
腹がふくれたオレ
満たされているオレ
ベッドでうまく眠れない
イラついて
時計を盗み見る
さえた目つきのオレ
満たされていないオレ
....
恵まれない世界などない
恵まれない者がいるだけのお話しだ
人生は映画にたとえたい
監督はだれ
脚本はたれ
金集めはだれ
みんなじぶんの人生じぶんが主役だ
監督もできない
本も書けない
....
逃げ惑う足首に
絡みつく春の鬱
転ばないように地面を
踏みしめているのに
白い鬱が生えてくる
小さな芽が双葉を広げようと
隣で眠る鬱に声を掛けた
まだ孤独であるうちに
秘密の儀 ....
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