一日を重ね続けて
それが人生になる
昨日を生きたから
今日が在り
今日を生きるから
明日が在る
何もかもを
抱き締めて
未来へ持ってゆく
産みの苦しみもあるかもしれないが
すべてを捨てたように
生まれの苦しみもあるかもしれないのだ
まっさら ということは
「お腹が空いたぞ」と大声でさわいでいい ということだ
「ね ....
たとえばティーカップ。
かしゃん がしゃん ぱりん ばりん
かしゃん! がしゃん! ぱりん! ばりん!
かしゃんっ がしゃんっ ぱりんっ ばりんっ
かっしゃん がっしゃん ....
先天的な性質
どんなに抗おうとも
それはシーツの上での舞踏に過ぎない
反響する命の別名を半分だけ受け継ぎ
残りの半分は空気との親和にくれてやる
後天的な性質
魂である影を捨ててまで欲す ....
ちから
ちから
あかくながれる
ちから
ちから
みわたすかぎりの
ちから
ちから
まぐまがもえる
ちかから
ちから
わたしのははと
ちちから
ちから
ぜ ....
非常階段で
指切りした
非常だから
爆弾が
落ちてくる
爆弾を
避けながら
約束した
知らない国の
戦後の春
階段は
ただの階段に
なっていた
....
受けとめきれない言葉が在るのは
なんら不思議ではなく
すべての言葉を
受けとめきれるつもりで
自らを削ぎ落としてしまう行為こそが
とても不思議で
ただ哀しい
それなのに
まったく等 ....
ひとつ、指を折る
ふたり、目を閉じて
見えぬ、ものを抱く
夜は、闇を呼ぶ
いつか、捕まえる
無縁の、愛を歌う
名を、呼べぬままに
やがて、時は止まる
ここの、 ....
スーツケースに座って
迎えの車を待っていると
これから旅立つ人たちがいて
不思議
一秒のすきまもなく
誰かが空の上にいて
未来を保留し続けていく
胸が痛むような思いをしてない
ふいに窓が開いても外を見ないことがある
カリフォルニアの陽射しと乾燥に
肌がもつれた
その重さは
私のために作られたものではなかった
眠っているうちに誰か ....
雨が強くなり
森が海に呑まれる
木々の繊維が悲鳴をあげ
窓枠がかすかに共振する
死に向かう命の塊を
やはらかに包んで緑は
夜闇の中で黒と見分けがつかぬ
音がなくなれば沈黙は意味を失く ....
このみちを
あるいていけば
しあわせになるのだと
ははがいう
そのみちをあるきつづけて
ときおりみちくさをしてるうちに
みちはもはや
みちではなくなっているのだが
このみち ....
鈍い目眩とともに
やって来る歪な影
暗い夜明けのように
淀んだ白夜のように
めくれた上皮みたいな気分が
敷布の中から身体を捕らえて
煮物が駄目になるときのような ....
ゴールデンウィークにひやけしたのは
あそんだからではなくて
やけやすいから
本当は病気
わすれさられたきおくをよびおこそうとして
ばかにされるのは
ぶただから
本当は病気
....
OPAの5Fがソ連になって
事実上、中空に共産国家が産声を上げた
カーゲーベーの尖兵は6Fにまで魔手を伸ばし
ヤバイ、もう8Fまで来たって
10Fが騒ぎ出した頃には ....
祭りが終わる
花火が上がる
舞い散る火の粉は
神経を一つ一つ
過去へと誘う
そこには間違いがあった
あるいは無かった
どちらにしても
脳内の化学信号
それだけが残る
もう長 ....
祖母はいつだって母の跡を消そうと
黙ったまま手縫いの布で
家のあちらこちらを拭いてゆく
母は眉間に皺をよせて何も話さない
祖父は しんでしまった祖父は
なぜ遺影になって笑ってるんだろう
....
先生はもう液状になって
黒板の海を
白墨で汚している
本当は海の生き物たちが
みんな住んでいたはずなのに
僕の皮膚には朝から
いろいろなものが刺さって
痛くはないけど
....
今日は特別
背中が重くて
息がしづらい
吐きそうだ
はやく
神棚に向かって
イノリたい
会社の中なので
商売繁盛の戎様しか
いらっしゃらないが
それでもイノリたい
神様はどな ....
夏が近いよ と
ぬるい風が
歌わないあの子たちは知らない
窓際の席の
「夏がくるよ」
海の化石を見つけた版画家は
化石のありかは
鯨の脇腹の骨にあると
教えてくれた
雷にヘソを隠す少年は
貝殻を耳に当てたことは無かった
潮騒は石狩の海で
聞いて育ったのだから
タ ....
夏が散る
一つの夢が消えたように
色褪せたプラスティックが
いとも簡単に砕けるように
夕暮から
降り出した雨滴の一つ一つが
時の定めにより
夏 ....
僕のお腹まわりは酷くなったので
皆からトドだの
セイウチだの
と陰口を叩かれるに至ってしまった
流石にこのままでは駄目だと思っているのだが
なかなかお腹はへっこまない
へっこまないので ....
ようやく僕の窓にも光が差して来て
暖かな日差しを感じるようになって来た
めいっぱい窓を全開にすれば
この病んだ部屋にも新鮮な空気が入って来て
まるで心が洗われるよう
しばらく窓辺で風に吹 ....
きみなんか
いなくても平気
手足を切られて
芋虫みたいに
地べたを這い回ったとしても
きみが
僕のそばで
脂汗流しているのを
見せつけられるくらいなら
きみなんか
いな ....
{引用=――昔の旅を思い出して}
海沿いの
裏の国をさまよっていた
背後に山が迫る狭い平地で
当然のように道に迷った
時はゆっくりと勾配し
私に追いつきつつあった
いくつかの ....
{引用=「果てのない孤独を感じるのは、まだ私が弱いからでしょうか。
私が未だ、言いようのない既視に打ち拉がれては瞼に幕を引こうとし、
触感を拒むのは、もう世に何がしかの光明をも信じていないからでし ....
一か月が過ぎて
空高く 雲は流れる
体育の授業
私は
眼を閉じたまま
風を感じる
春を走り
やわらかい
風を切る感触
ふみきり台に向かって
歩幅をあわせ
最後の一歩で ....
花に
しづかに
雨に
くちびる
くちずさんだ歌
だれの歌だったか
だれと歩いていたか
思い出すまでのためらい
地を這うもの
足掻くもの
道を拓くもの
清涼な山の息吹の ....
俺は何だろう
道を歩いた 苦しみにされた
病人にされていく憂鬱だった
扉を手にした 幸せだった
俺は幸せになる
壁なのだ そこに立っていた
警備員だ 泣いていたかもしれない
おも ....
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