覚えていますか?
私達が種だった日のことを・・・
ふらりと寄った鎌倉の古時計屋で
無数の時を刻む秒針の音に包まれながら
独り置かれた{ルビ勾玉=まがたま}の
黒い瞳と、目が合った ....
白鳥は阿呆の黒鳥をつがいに選び
人の目も気にせずにガァガァと啼いて子を産んだ
無論阿呆の方は姿を消して
養育費が振り込まれていない件どうしたもんかしらと
ガ ....
置き去りのボンティアックの錆のオレンジ
助手席に腰かけたままの
過去を
騒がせぬようにと気を使うみたいに
ゆっくりと
やさしく吹く風
口笛を乗せると
母親を ....
降りしきる、雨と濃霧の街頭で
足元に、小銭の入った空き缶置いて
唄う少女の頬に雨は{ルビ滴=したた}り
過ぎゆく群に、愛を囁く
今宵も巴里の夜は更けて
洋燈の、スポットライトの ....
門のところにクラゲが大量に発生していた
透き通ってきれいな形をしているのに
触手に毒のある種類なので
外に出ることもできない
裏門から出ようとしても
この家には裏門がないし
裏 ....
そんな役にも立たない詩を書くのだったら
うちの猫ちゃんの詩でも書いてよ
とうちの妻が言うもので
昨日購入した東秩父村産朝採り皮付きたけのこと格闘して齧ったりして可愛らしい
うちの仔猫ちゃん( ....
{引用=
それぞれに交差する
よっつのひとみ
そのやわらかな表面は
甘いのだろうか
それとも潮の
見詰めれば
卵黄を飲み込むように
喉を滑らかに落ちてゆく
嗚呼
同 ....
立ち止まるたびに空が遠のいていくので
足を踏み出すことは恐怖を忘れるための手段になる
夕焼けと夕闇とそのかなたにある月のない夜の闇を
決して追い越すことの出来ないグラデーションを追いかける
....
「加齢が怖い」と千回言えば
三秒若返るという
技術が開発されたため
皆が「加齢が怖い」と
血眼になって言い続ける中
「チョールヌィイ・オリョール」
「セヴェロドビンスク」
「アドミラ ....
空き部屋になって久しい一階奥の角部屋
いっこうに入居の気配感じられなくて
郵便受けはチラシとかで溢れている
ポスティングするのが仕事なんだろうけど
声をかけたとしても臆すること無く
ほん ....
鉛色の岸辺
蒼い木馬が燃えている
塩辛く 蝕まれた 薄い身体を 震わせて
揺れている
錫色に泡立った 波頭の拍子を 執りながら
砂の一粒一粒は 鋭く ....
五月五日、銭湯は菖蒲湯になる
端午の節句ではあっても
ガキより年寄りの方がずっと多い
それでも今日に限っては
子供のような顔つきに見えるから気持ちの問題か
彼ら ....
バンコクにある
カラオケスナックの
ウエイターのお兄さんに
尻を触られたことがあるんです、わたし
ううん、それが恥ずかったわけじゃなくて・・・
そのとき
男のくせに
つい「イヤン」と ....
あらゆる情念は鳥のように去りゆき、今やもう海の彼方
きみの温めた卵はもう何処にも見当たらない
いづれ粉砕されるのを知りながら体温を分かち
最後まで希望と名付けることはなかった
そんなきみの熱情 ....
歯車
ゆっくり音を立てて 進んでゆく毎日の中で
ちゃんと大切な物に 誰もが出会えるのかな?
耐え切れず音を立てて 壊れていった記憶たちを
大事に胸の箱の中に 片付けてゆくのさ
....
食材のヤギ
表面をキャラメリゼしていただく
贖罪のヤギ
全焼の供物としてささげる
アナザーと誰かが言ったので
人一人いない廊下でブラザーと返事する
愉しいことも一瞬だが
そも生きてい ....
空間の凝縮
色彩の単一化
情報の漏洩
あからさまな現実逃避と
淡い現実
紙束の重みに
瞼は耐えられず
微かな肉欲と供に
癒されない眠りが始まる
トム・ウェイツのAlice
....
変えられないものは
変えられない
変えられないものに
気にしても
悩んでも
しょうがない
考え方は
少しの
努力で
変えられるかもしれない
顔 身体は
生まれながら
....
何者にも
おそれない
生命だって
惜しまずに
勇気を出して
君は戦う
愛する者のために
美しいもののために
君は
生命を
捨てて
戦う
誰かに
はばかることも ....
争いは
心をなくす行為
周囲や
気持ちを
害する行為
同国人同士の
争いは
あまりにも
悲しすぎる
みんなで
争いを
無くすよう
願うのが
当たり前なのにね
....
ある日曜日
友達の家に遊びに行った
団地と呼ばれていた
うっかりお昼過ぎまで
友達と部屋で遊んだ
お昼ごはんをご馳走になった
コロッケとパン一枚だった
家に帰ると
塩鮭 ....
おれの気持ちが分からない
おまえは言う
おれにはおれの歴史があり
おまえにはおまえの生活があり
おれにはおれの贖罪があり
おまえにはおまえの観念があり
言葉で分かり ....
ある日曜日
友達の家に遊びに行った
団地と呼ばれていた
うっかりお昼過ぎまで
友達と部屋で遊んだ
お昼ごはんをご馳走になった
コロッケとパン一枚だった
家に帰ると
塩鮭 ....
すべて…
…
カミヒトエ
アウト
だろうな…
ただ…
でも…
カミヒトエじゃないと
書けないよ
命のやりとり
してないと
張りがな ....
夜も真夜中
ご無沙汰だわ
ってジャガーさんがため息まじりに呟いたから
ちゅーにんぐした後すらいどやらちょーきんぐでいっぱい鳴かせて
ぼくは満足したから
濡れてぃっしゅできれい ....
許してほしかったのは何だったろうか、と
そんなことを久しく考えていなかった頭で考えたけど
分かるはずもなかった
タイムマシンがあれば、今すぐにでも行ってそして抱きしめてあげる
すべての ....
雨の紗に浮かぶ桜花
彼方に霞む山の冠雪
狂い咲きではない
気が触れているのはむしろこの星
星はそのうち火に呑まれる
だがいま花は日に飢えている
雨だれが花弁を弾く
志半ばに散るものも ....
日曜日の街宣車から流れる軍歌を口ずさむ
御年28歳男のコンビニ店員は切ない
モテないわけじゃない
と彼は言う
いつもいつも女の子がそばにいる
だけど いつもいつも恋がしたいと嘆 ....
駅の方向から帰った場合
団地の入り口に当たる
あそこのあの
円い花壇の上で
あいつは待っていた
あいつと眼が合った瞬間
僕は輪廻を
確信することができた
やあ ....
何にもなくなった手で掴もうとすることの詩が流れていくのを感じる
私自身はどこにいるのだろうと眠る
暗闇のどこかだった
ぼんやり 朝の事を花火に 失われた
空の霧の元気さなのだ
だが 思わ ....
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