どの名字を言えばいいのか迷っているうちに電話はぶつっと切れてしまって、
あたし結婚してないんだから同じじゃんって呑気に笑ってみたりした。
乾燥機では母親の首が回っている。
ごろんごろんと不愉快に ....
猫はどこ
テレビの後ろに
私の背後に
どこかの小説の中に
難解な映像の中に
猫はしなやかに溶け込む
動かない物達に囲まれ
居たい所に居る
見つけた時の安 ....
繋がれていた管
ちょんぎられ
小さな木箱
納められている
まだ狩り知らなかった
たちあがることできない
生きもの
寒気通り抜けた
高気圧やってきた
鳴らない携帯電話
メモ帳 ....
テレビで観たフロリダの海は
それほど青くはなかったけれど
中学生だった僕の心に
あの海への憧れを植えつけるのには
それで十分だった
そしてもうひとつの憧れの的
あの野性的 ....
人にどう思われようが気にしない なんて自分勝手な
そんなあなたは イヤだと言われたら
ひとり、ひとり、付いてる眼球
ひとり、で2つ付いてる眼球
....
ふるさと
というものが
わからなくなって
しょもつのいえに
あなたはかえる
かえって
みたところで
わかったような
かおをして
なみだぐみ
ぺえじをめくる
....
{引用=何本かの鉛筆と
何本かのペンと
何冊かのノートや
散らかった書籍が在って
散らかった書きかけの物語のような
続き話が転がっているところに
書きたての新鮮な言葉が
跳ね回っているの ....
電車に乗れば世界が自分を流れていく。田舎では整備工場の原色の看板が、都会は灰色のビルや貯水用のタンクの大きな化け物が流れていったりもしていた。季節をゆらぐ世界はいつもそこにあり、ファッションとして ....
命を助けてもらったなら
大切にしなくちゃいけない
今日俺は獲物を逃した
獣と魚を一匹ずつ
あいつらは俺が乗り気じゃ
なかったことに
感謝してるだろうか?
そりゃあするだろ ....
五時のサイレンが鳴ったら
みなさんおうちへ帰りましょう
わざとゆっくり歩いて帰る
うちに着くと
やかましいリビングを通り抜けて
疲れきった階段を上がり
自分の部屋に向か ....
手首を切り落とす、
という妄想が頭から離れない。
私の手首を切り落とすのではない。
最愛の人の手首を切り落とすのである。
切り口はなるべくすっぱりと潔いのがよい。
切れ味よく骨まで切り落 ....
灌木と雷雨を連れて町を出た
辺境には辺境の掟があるのだと怒られた
探査船に乗って星を出ると
ドーム内の環境シミュレーターで
雷雨は分析され、灌木は実をつけた
この確率は奇跡ですね、と ....
しじみが
しみじみしてるのは
しじみがまだ
生きてるからだ
わたしが
しみじみしてるのは
わたしがまだ
生きてるからだ
しじみでも
わたしでもない
だれかが
....
じぶんの人生じぶんが主役
じぶんが君子だ王様だ
自動販売機に腹を立てても
そこはじぶんの人生だ
主役は自動販売機ではない
季節が巡ろうと
スーパースターがなにを ....
誰もがみんなドアをひとりで叩き潰せるわけではない
こうして 震えている間に冬は過ぎてしまったが
一向に震えは収まらない
歯の根が合わない
力が入らない
かろうじて寄りかかって
動か ....
昭和のキャバレーで
オジィはオバァを引っ掛けた
オバァはししゃものシングルで
オカァとおばちゃんを抱え ....
虫かごと網を持って
虫をとりに行った
どんなに網を振り回しても
虫以外の生物や
生物ではないものしかとれなかった
とったものは逃がしたり
あったところに置いたりした
元の姿に ....
世をはかなんで白昼堂々と身投げした
愛しのヤマトヌマエビを弔う詩を書こうとしたが
焼き海苔買ってきてと妻からお使いを命じられて
ちょっとの間留守にしたら
ヤマトヌマエビの死体は片付けられていて ....
綺羅星の王冠を眺めながら
骨のようにかたい胡桃をほうばる
失楽園からの贈物に
境目のない儚い理想を夢見ながら
昨日の怒りを
今日の喜びとして享受して
往ったり戻ったりする荒野の ....
ここが私の居る場所
天国ではないが天国を思い描かせる景色がある
地獄でもないが地獄を覚らせる場所がある
汚辱と言えば皆、汚辱
歓喜と言えば全て歓喜
何も言わず ....
愚図りだす
空
泣き出した
僕
哀しい
雨霰
一斉に
咲け、と命令されたから
季節たちは
夢中になって
駆けぬける
ひかり、が
まぶしいものであるほかに
匂うものでもあることを
なんとなく均衡に
ふりまいて
....
目をとじると
僕の
思い出の中で
君はいつも
笑っている
懐かしい
あのころ
楽しかった
何もかも
素敵な日々
忘れることのできない
懐かしい
あの日が
僕に
帰っ ....
いるはずのない
あなたの姿が
そっと目を
閉じていると
現れる
遠い昔
私が
初めて
愛した人
今は
思い出にしかない
あなた
どこにいるのか
なにしているのか
わ ....
雨の中を
ひとりで
立っている
ずぶぬれになるまで
家に
帰らず
雨の中を
ひとり
立っている
あいつと
別れたから
あいつに
ふられたから
わたしのこと
真剣 ....
6.3キロの巨大猫を
ギュッと 抱きしめる
もう 中学生になって
しまった
ひょろ細い娘を
ギュッと 抱きしめる
自分で 自分を
抱きしめる
ギュッと ギュッと
でも ....
環境との調律を
合わせようとして
ズレていく音
聴きとれないまま
ぷつんと切れて
海のはなしをしよう
とりとめもないことでいい
海の青さや広さや深さ
どんなことでもいい
海のはなしをしよう
難しい言葉でなくていい
海の美しさや眩しさを
波のように繰り返しはなそう
....
{引用=
冬になると、一枚板の壁の隙間からは風が、骨の芯に沁み入るようで、いつまで経っても、身体は温まることがない。だから足先から、這い上がる冷たい手の平にうなされる夜は、一向に眠る気配を見 ....
人生なんて冗談でしかないって
お偉い先生が言っている。
そんなことは地平線まで見える丘に立ちすくんでいる下々の者である僕らにはとんと実感がありません。
大きく言えば 人生って 今生きているこ ....
3370 3371 3372 3373 3374 3375 3376 3377 3378 3379 3380 3381 3382 3383 3384 3385 3386 3387 3388 3389 3390 3391 3392 3393 3394 3395 3396 3397 3398 3399 3400 3401 3402 3403 3404 3405 3406 3407 3408 3409 3410
【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
5.43sec.