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本の中にたくさんの
文字が落ちている
こんなにたくさんの文字を
いったいどこの海から拾ってきたのだろう
時刻表を見ると
海行きの最終列車はもう三分ほど前に
近 ....
朝起きて 台所のブラインドを開けると
猫が 物陰に隠れて
つたの絡まる切られた木の上の方を見ている
そこには ヒキナギのつがいが
巣をはぐくんでいるのだ
が いつもはもう チチチとさえずるの ....
そっと
電車の窓ガラスに
耳を押し付けてみる
風景が消えていく時間が聴こえる
「はたらくくるま」という歌があるが
確かに働いているのは人だけじゃない
通勤電車とは通勤する電車のことだ
いつも重たい荷物を背負って走って
お疲れ様
寝静まった夜の住宅街で ....
あの人の元カノが判明
なんと隣のクラスの
あきやまさん
容姿端麗
博学多才
元バレー部エース
わたしなんか
霞んで見えちゃうほどの
オールマイティーガール
か、
敵わな ....
頭が落ちていたとしても
腹を抱えて笑うやつはいるだろう
やっと死んだよと
....
日の丸をあげると
あなたがおろすから
おろしたのというと
うんと言うから
私はまたあげて ....
私が心配だったのは
あなたが私に
泣くなよ
そういうのかも知れない
と思ったからです
あなたが私の
笑顔だけがすきなのなら
私は今朝の花みたいな
微笑を枯らせない
ゆうらと ....
カゴの中の鳥が
可哀想だとは限らない
そこで満足するものも居るのだから
そこから見える空がどこまでも続く
そんな事実を知らずとも
力いっぱい羽ばたき飛ばずとも ....
波に乗り
船に乗り
遠い遠い島を目指して
楽園にあこがれる
誰も知らない土地で
誰にも文句を言われないで
誰にも意地悪されないで
誰にも傷つけられない
毎日が楽しい。
毎日が ....
どんなに
大事に思っても
届かぬ恋
どれだけ
努力しても
繋がらない運命
どうしても
出来ない
ちょっとした信用
どれだけ
抱きしめ合っても
足りない愛
誰もが ....
51
私は空っぽなんだ、と悲痛な様子で訴えてくる私のおなかは、しかし三段もある。
52
彼女は、彼が、時間がないと繰り返さなければ、充分な時間がとれることに気づいて、口で口をふさいだ。
53
その ....
愛の花が咲き乱れる楽園にて
相撲大会が催されると聞きつけ
腕に覚えのある男たちが集結
3日3晩におよぶ熱戦を繰り広げた末
新しい愛のかたちに目覚めた彼らが
万人に幸せを分け与えんとして
今 ....
ベースギターの練習をしている最中に鬼が来て
私を殺そうと金棒を振りおろした瞬間に手を滑らせた
私は即座に金棒を確保し鬼を制圧しようと試みたが
あろうことか鬼は私のベースギターを手に取っている
....
ピンポーン!
は〜い、どちらさま〜
あら お隣りの新次さんじゃない
どうしたの?
「真行寺さんちの奥さん(美人)の
左乳首にピンポーン」
えっ?
「右乳首にもピンポーン」 ....
ベガとアルタイルの15光年の隔たりに
孤独だなんて名前をつけて
夜空を眺めてみれば
その距離は所詮
人差し指一本分で。
私と貴方の間の隔たりは
人差し指一本では足りなくて
呼ぶべ ....
最近微妙に値上がったけど
まだまだお財布に優しいもやしさん
1パック24円のもやしさん
二つぐらい買ってお肉を絡めてサッっと炒めて食卓へ
べっ、べつに手抜きじゃないんだからねっ!
なんて ....
体を鍛えておこう
頭を使っておこう
打たれ強くなっておこう
他人の人生背負うために
額にコインを強く押し付けたら
願いが叶うと信じて
おまえは毎日
穴が空くくらいコインを押し付けて
何かを祈ってる
はたから見てると
なんだかバカ ....
別れることを真剣に
考えたのは6年前
もう 関係は10年以上
冷え切っている
欝をわずらって
捨てられたあたしは
それでも
わずかな希望を見出していた
SOSは何度も出した ....
日なたで
ろうそくを点しましょう
大丈夫、
それは遠目には
よくわからないから
わかるのは
あなたの顔の
おおよその向きだけ、
でも
そんなわずかな情報さえあれば
....
太陽が西に傾き
橙色の弱光が窓ガラスを抜け
誰もいない教室をほのかに染める
グラウンドでサッカーボールを追う少年達
その声が
遥か遠くに聞こえる
教室の後ろの掲示板
はられた絵が眠る ....
雨が降ると
窓を閉めてしまうわたしは
泣き虫を人に押しつける
晴れの日なんて
家中の窓を開けて
外と中の境を無くして
鼻歌なんか歌ったりして
それがまた
となりのトトロだったりする ....
夜空の裂け目に祈りを捧げ
彼らは湿地帯を彷徨い
鏡のような水面を呈している
池の畔に辿り着いた
今宵は下弦の月
王の前で繰り広げられる
ガラスの破片の上での
....
わたしのフガイを見ませんでしたか?
ちょうどあなたと出会う前に無くしてしまったようです。
だから偶然あなたに会っても
あんないフガイ無い会話しか出来なかったのです。
あの時、私のフガイ ....
めまぐるしい流れの中
歪んで見える景色
傾いていたのは
僕のほうだった
重力はいつでも
僕をこの堅い地面に
縛りつけて離さず
飛ぶなんて到底叶わず
掃き溜めのような
淀みきっ ....
わけいってもわけいっても古い本
この家の主はすべての本に番号をつけて
それが災害でぐちゃぐちゃになってしまってからというもの
番号通りに並べなおすことにのこりの人生を費やすつもりでいる
....
この畑では猿を作るという
春のある朝 まだ暗いうちに
大根のような葉を茂らせた畑から
泡の弾けるがごとき音を出して
猿が飛び出る
猿が土から勢いよく
無言で かつ しかめつらをして
....
お母さんの手のぬくもりを
知らない私は
今お母さん
お母さんの手ってあったかいのかな
お母さんの手って柔らかいのかな
ときどき小学校の教科書に
お母 ....
木漏れ日を愛したひと
放課後の教室にいた
四時間目の途中から雨が降り始め
沈黙は細かく裂けて騒音になる
グラウンドは海のようになって
自分が十代の形をしている違和感を
いつまでも練り上 ....
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