アーモンドチョコレートの
金の包み紙をみると
捨ててはいけないという声がする
しわを丁寧にのばして
ピンとはった四角形で
私は なにができるというのだろう
ちいさく ちいさく丸めても
....
文通はするけれどお互いの電話番号は知らない
そういう関係はたくさんあっただろう
そしてふたりはたまに会う
一緒に歩いたり美術館を巡ったりご飯を食べたり
そういうふたりはたくさんいただろう
電 ....
この悲しみはひとにやさしくなれる
いちど別れた女となんねんかぶりに会った
肌をふれあわせる以外のことを夜通しした
この女は最愛だったが
ふたりで制度のなかにくるまれることはなか ....
学校帰りの
黄色い子どもたちが
葉桜の大きな
大きな陰をこえると
もう
すっかり
おとなになってしまった
ぼくは、ようやく探し当てた。
透明人間になれる薬を持ってる人だ。
どうして透明人間になりたいか、ぼくにもよく分からない。
ぼくは、ぼくがいなくなってもいいし、世界もそう思ってる。
死んじゃ ....
楽しい声が歌となる
悲しい声が歌となる。
淋しい言葉が歌となる。
うれしい言葉が歌となる。
歌は言葉を引き連れて
言葉は歌に溶け込んで
人との間を漂って
人との間を翔び ....
宇宙から地上へとのびる滑り台を滑り降りて僕らは生まれた
あまりはっきり覚えてないけどあの光景をもう一度見たいから
僕らは長い時間をかけてより高い宇宙への階段を登ってる
---浦風も吹きわたらない 惰眠にふける公園の広場
申しあわせたのか
夕食前の腹時計の計算に
集まったこどもたち
その黄いろの声を
つりがねのひびきのように聴いたとき ....
能天気なおまえに
この俺を慰めることなんて
できないんだ
無神経すぎるおまえの
土足は未だに躾けられた通りの倫理と
無口な常識で
俺を踏んづけていることにも気づかない
しかしこの世のすべ ....
哀しみという名の街で
二人 出会ったの
涙雨の降る街角
空も泣いていた午後
さびしがりやの恋人たち
ガラス細工の傘をさして
色褪せた通りを歩いていたの
心の傷跡なぞるように
冷 ....
ユキオからのポカンとしたメールに返信しながら発光するコンビニを通りすぎた
カワバタからはさいきん連絡がない
じぶんが返信しなくなったからだろう
カワバタと別れるといつも、ヨシミはじぶんが空虚にな ....
言葉づかいが正しくない
着ている服がみっともない
生活スタイルがだらしない
おれが
いつまでたっても
立派な人間になれない理由
おれが昔見ていた夢が
ひとりでに舞い戻って ....
大空に手を伸ばす
太陽でこの手を焼くために
ほしいほしいほしい
私は全てのまっとうなものがほしい
備わっていないものをほしがり
すでにあるものをみないで
それらは
当たり前に動くから ....
何にもなくなっていく手で
何かしらのものとして掴もうとしている
私は元気な気がさせられていた
多分疲れてなどいないのかもしれない
窓を開けて外を眺めさせられていたのかもしれない
私とは一 ....
コンビニに行くと
夜の人がいる
その人が
昼の人と違っても
私はかまわない
いつもそこに
いてくれるなら
ある晩
父親が亡くなって
その人ではない人が
私を待っ ....
みていた
なにするすべもなく
きりぶかいくろのぬまぞこへおちていくひと
きずついてたひとと
きずついてるひとへ
ザクザクさす男
お前は何を分かっている
....
校庭をタイヤ引いて
居残り特訓
砲丸投げをやれって?
砂場で練習
体格いい人には
かなわない。
県大会でも
散々な結果
疲れて水を飲んでいると
君はそっとタオルを出した。
....
小指の先が
少し内側に曲がっているのを
あなたは気にしているようでしたが
ペンを走らせるとき
他の指から少し離れているのが
文字のかわりに飛び跳ねているみたいで
好きでした
あな ....
欲しいもの
沢山あって
財布が軽い
人に媚びる
友がいない
時間がない
体力がない
妻がいない
体重がある
ダイエット
転生したい
血液は健康
日が沈み時計の針が急速に冷えると、もう帰れと時報が鳴る。
ドアを閉める音、乱暴に踏み込まれたエンジンの音もある。
客にクレームをつけられた車屋の友人は、ガレージ脇に立てかけられた
サンドバック同 ....
拳を握り立つ女の背中の弓が跳躍する
大地のステップをくぐり抜け
夕映え瞳の奥
火燃ゆるその矢が到達すべき心臓へと導かれ
まさに射抜くのを誰もが目撃した
唇は乱れひとつなく
確信が彼女の ....
お前の母ちゃんの子宮にはアリゾナの青い空があって
乾いたハイウェイ沿いにただ1軒あるガソリンスタンドで
お前の父ちゃんが働いていたんだよ。
ただお前は地下に埋設されたガソリンタンクからではなく
....
沢山の人が戻ってくる
色々なところから戻ってくる
本当に旅立ったその人が
戻ってきたのか
わからないまま
砂漠を歩くために訓練されたから
砂漠谷(サバクタニ)
サバタクニ?
どっちか? サバタクニ・サバクタニ
遠慮の無い下司が
陽気に経歴自慢をする一方
本当に救いようの無い人間を
救うこ ....
砂でできた掌が
記憶の水に
崩れていく
そしてそれを受け止めようとする別の
掌がある
赤茶けた鉄路は
臨海の工業地帯へと続き
大きくカーブする
その付近で
群生する草の穂 ....
網戸の張り替えをしようと外しにかかると
空がところてんのように
にゅーっと切り取られました
あまりにおいしそうなので
私が黒蜜をかけて食べようとすると
だめだよ、と貴女が言いました
どうして、と聞いて ....
私の存在は
みんなが思っているほど
綺麗じゃない
毎日毎日
言いたいことも言えずに
思っても無いことを口にしてみる
すると、皆はこう言うんだ
『すごいね』って
『優しいね』 ....
わかりません
と、言った私の言うことが
わかりません、という顔を貴女がしていました。
貴女は、わかりません、を
私の胸から摘んで取り出しました。
私のわかりませんは、氷山の一角で
とりあえず、食卓に置 ....
二の腕の筋肉に
冷めた太陽が埋まって
関節の辺で
言葉が
ふつふつ粟立った
いきたいいきたくない
しにたいしにたくない
....
山奥の針葉樹林で生まれた
朝露のひとしずくは
無数のひとしずくと共に
苔や羊歯の間を縫って
ひたすら傾斜に従う流れになった
渓谷では
無邪気にはしゃいで
いたずらに透き通って
....
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