蜂蜜の瓶で溺れ死んだ
ミツバチのことを想ったら泣けてきた。
べつに私の涙なんて
彼の家族の足しにもならないのだけれど。
汐が濃く匂ってくる。
目にも暗雲が立ち籠めてくる。
簡単に言えばすむものを
見破られまいとして
一刻の猶予を走り抜ける。
恩を知らない癇癪持ちを
愛するなんて慈善運動は
所詮御伽噺であるのだろう
己に絶望 隣に諦め
高みが花なら 下は泥
傷んで往く末があろうとも
積み重ねた小さな石は
この夜が来るまでに ....
朝の訪れるたび
切り離されたからだを思う
昨日との交信が途絶えて
寄る辺ない
なまぬるい風に
輪郭を確かめる
季節がしみこんでくるのと
季節に染み出していくのが似ている ....
何読んでんの?本?何の本?マネジメント?
あ、そう。
なんでクラブで本読んでんの?
いや、疲れて、みんな上で踊ってるし、眠くて、あと退屈で
あ、そう。ちょっとそこの女の子に話したいから、またね ....
お月様が食べられた
うさぎの餅がおいしそうだったからに違いない
お月様が食べられた
でもお日様は満腹だったに違いない
庭に咲いた風車
水を得て
風を運ぶ
霞む雲をさらって
旅を ....
リノリウムの壁
見えない満天の星を眺め
手の届かない彼女のことを考えた
最後に会った日
彼女は家に帰る途中で
ひどく暑かったことを覚えている
笑わない彼女
瞳の奥 ....
六月の風
どこかにする
子どもの遊び声
落ちてくる手にあまる垂直な陽射しは、
すべての影を限りなく縮小し 見放し
あるがままの姿を投影してくれない
公園の木陰に一人ぽつねん
ベンチの女が ....
日曜の
午前三時
手足のない男が
金網に入り
手足のある男と
2ラウンドを戦う動画を見る
手足のない男は
手足があるときは
アマレスの
....
人は髪を見ている
髪は何も描かない
髪のまま あるだけだ
私は髪を見る
肌に触れる
肌ではない 白い色に輝いた
黒い色をした 肌ではない
髪と肌とが 白い人は輝いた
何ひとつ語らずに生きている毎日にため息を吐きかけさせられている窓の外に枝が揺れていて、何も語らずに流れていく日常だけがぼんやりと流れていくような気のした合格発表をする直前の門の手前の私は疲れ切っていた ....
放射される熱を
感じていたんだ
夜更けの草原に
寝そべって
仲のいい
グループで
語らいあった
見上げた空には星
点滅しないきらめき
声が聞こえていて
声は聞こえていない
放射
....
{引用=彼女が一昨年の}春{引用=から}人形作り{引用=に精を出していたのは}この{引用=ブロックでは周知の}事実{引用=だった}
部屋{引用=に}篭り{引用=すべてをさておき}没頭{引用= ....
落ちる飛翔を抱きしめている
遠景、クラシックのレコードの一室、朝を迎えない夜
果てまでのカウントダウンの抵抗を
爪弾かれる黒白と、久しく鮮やかに染まりたいと願う君の
底を知らず 墜落、 ....
珍しく恒雄君が
人気者になった日
茶色い毛の鼠の死体を
拾ったのだ
集団登校の上級生たちに
捨てろ捨てろ
そう言われはたかれ続けて
教室まで来た
当然エン ....
誰もいない教室は
おだやかな海のように静かで
窓から見える空は
泳げそうなほど広がっている
そこにはただ
さんさんと降りそそぐ光が
とっても小さな粒子になって踊り
いたるところで ....
象は目を閉じて
もう何も見ない
死ぬときにだけ空を見る
青を捜す
*
どこへ行こう?
夜の森
あのプラットホーム
硝子の町
あらゆる風景の真ん中で ....
{引用=「傘、忘れたの」}
鞄の中の折り畳み傘を 奥底に押し込みながら
貴方の手元の傘に目をやった
貴方は少しだけ 困ったように目を見開いて
慌てたように そっと周りを見渡して
わた ....
仕事とは、自分の心身をきたえるジム。
仕事とは、世界を知る小さな社会。
仕事とは、社会の仕組みを身につけ実践する学校。
仕事とは、仲間と創り上げる秘密基地。
仕事とは、どれだけ ....
世界中の恋人たちは沈黙した片割れに大丈夫?と訊ねる
そして、世界中の野良犬たちは沈黙を嗅いでまわる。
夜中になると祖母は、お前が死ぬ夢を見たと言って僕を揺り動かすが
仕事でくたくたの僕は死んだよ ....
多くの人に
影響を与え
多くの人に
励まされる
愉快な一日
楽しい毎日
色々考えて
実行をして
今日も電話
明日も電話
人の輪作り
落ちないよ
磁力のせいか
しずけさか
ひんやり感か
北の部屋は
よく眠れる
かつて あたしは
豪邸の一人娘であった
過去世の夢を見る
父と母の部屋に
入ったことを
とがめられ
....
現代詩は難しい
まず発音が難しい
ローマ字で書くとge・n・da・i・shi
軟口蓋破裂音だったり歯茎破裂音だったり摩擦音だったり
口に出すからには覚悟がいる
語末の[si]っていうとこまで ....
ガンテツパイルは頑張っている
今日も杭打ち基礎工事
ボーリングしてセメントミルク
地下の土壌とカフェオレだ
ガンテツパイルは突っ張っている
地盤に足場をばしっと築く
コンクリだって真空 ....
零時三時の七人現場で
京都タワー下
二十三時半集合
昼間は昼間で搬入現場
明日は八時 ....
100626
攪拌式の大好きな里芋
タロイモを掘る
山芋も掘る
寒いところに住む
馬鈴薯が掘った
薩摩芋を売り歩く
攪拌式の洗濯ロボットが
....
彼女は彼を愛していたし、
彼もまた彼女を愛していた。
傍目から見れば完璧な二人だったけれど
どちらも鋭く光る牙を
その身に隠し持っていたから
二人の恋はいつも死闘になった。
顔を逢わせ ....
7日に蛭木の浜に下りていき
ヨガをする。
足の爪先から、踵まで、ゆくりと着地する。
干潮を合図に背中を反らせ、アーチを模る。
オヒルギとメヒルギが
音をひらいて絡み合い
嘆いて赤土を溶 ....
空がひろがる
空はわたしを誘う
「さぁ、おいでよ。
つばさを
風にはらませて
空を飛んでごらん。
石のつぶてが空にむかって放たれる
鳥が墜落してゆく
わたしはつばさを胸に抱き ....
いつもはボサボサの髪の毛だけれど
クシなんか通してみる
そう きみがやって来る日だから
間に合わなかった片付けは
クローゼットに放り込んで
きみにあげる約束のコリントゲームはいい色 ....
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【自由詩】自由詩の作品のみ受けつけます。自由詩批評は散文のカテゴリへ。
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