オクノホソミチ 〜KAZANAGI風味〜/Rin.
 
要するのだ。もしこれが、つきあっている男なら、間違いなくオシマイであろう。一度ユカリに、なぜ返事をしてからドアを開けるまであれほど時間がかかるのかと聞いてみたことがあった。出られない事情があるならいっそ居留守を使ってくれたほうが、こちらとしても身動きが取れてありがたい。彼女は、着替えているから、と言ったが、真実は今も謎のままである。そんなユカリも、今回は3分の遅刻ですみ、私達はなんとか電車に乗ることができた。
 ホームに電車がきた。指定席。4人分は固まって席がとれたのだが、1人分だけ離れている。もちろんジャンケンだ。
 「ひとりもんが負け!」
勢いよく私はチョキを出してしまった。少ない者が負
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   グループ"【TJ】 楽器なきPUNKISH NIDHT"
   Point(9)