「読んだものは読んだ」とは言えないのである。/ななひと
 
誤読になる、と言っているのである。内村鑑三は、英語の「Love」は、「Leave」と語源を同じくする、すなわち、去っていく者に対する悲しみの感情と根底を同じくする、と言っている(ような気がする)。それに対して、日本語の「愛」は、「愛(め)ずる」すなわち、小さいもの、かわいいものを愛玩する、ところに発する。このように、背景を異にする言葉を、同じものとして置き換えることは根本的に間違いなのである。一つの単語ですらそうなのだから、それが文章になれば事態はもっと乖離していく。別の例として、今後は坪内逍遙先生に登場していただく。逍遥先生は、シェークスピアを日本語訳するときに、大変苦しんだ。何故かというと、例
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