テクノロジーが詩人を欲情させる。/ななひと
 
しさに投稿するのが悪いと言っているのではない。システムが、そういう欲望を、投稿者に、「自然」に抱かせるようになっているのである。そしてそのシステムは、新しいテクノロジーがなければ成立していなかったはずのものなのだ。
これはいつの時代でも同じ事である。話は明治時代にさかのぼるが郵便制度が確立しなければ、現代文学史に残っている作家、詩人のある層は存在し得ない。郵便制度によって、雑誌に「読者投稿」欄ができ、それまでは単なる読み手でしかありえなかった「地方」の読者が、「郵便」を利用して雑誌に自分の作品を投稿できるようになった。すると雑誌の方も、それを利用して、読者の投稿熱を煽ろうとする。そうすると地方読
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