青い預言者(マリーノ超特急)/角田寿星
。その日を境に森の侵略が鳴りを潜めていることを。アスルの木を遠巻きにして森は生長をやめている。時に森はアスルの木に長い蔓草を伸ばして語り合うことがあるもののそれ以上の接触は試みようとしない。
或る者は言う。アスルはこの地で森に抗う秘法を完成させたのだと。そしてアスルは預言した。わたしは木になり森から村を護るものになろう。やがてわたしの意志を引き継ぐものが現れ人々を苦難の道から救うであろうと。或る者は言う。電光が空を貫いたあの日に秘法の完成を知られたアスルは人知れず管理局に抹殺されたのだと。或る者は言う。彼は南回りの海洋特急に乗って生れ故郷に帰っていったのだと。或る者は言う。青い預言者アスルは
[次のページ]
次 グループ"マリーノ超特急"
編 削 Point(1)