ノート(石と冠)/木立 悟
 


葉の冠
羽の傷
石をめぐり
消えてゆく声


葉は羽になり
傷は消える
石の上に
残るささやき


木陰 波音
水から石へ
つづく足跡
飛び去る羽


曇に触れるもの
輪を描くもの
火と土になり
降りつもる


土にしみこむ土たちが
夜にだけ咲く冠になり
ささやきを空へ昇らせて
朝まで石を照らしている












   グループ"ノート"
   Point(3)