ノート(石と冠)/
木立 悟
葉の冠
羽の傷
石をめぐり
消えてゆく声
葉は羽になり
傷は消える
石の上に
残るささやき
木陰 波音
水から石へ
つづく足跡
飛び去る羽
曇に触れるもの
輪を描くもの
火と土になり
降りつもる
土にしみこむ土たちが
夜にだけ咲く冠になり
ささやきを空へ昇らせて
朝まで石を照らしている
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