ノート(彷光)/
木立 悟
鳥は散り
鳥は集い
陽はふいに翳り
道は 光の水たまり
淡い土の熱
影のまばたき
鳥はまた散り
一羽一羽 空になり
夢の音を聴く
外に重なる
覚めつづけ 覚めつづけ
まだ 目覚めない
朝と昼の裾
熱はすぎ
石の道から
干いてゆく色
風の歪み
曇に踏まれ
野へ堕ちる影
視るものも影
造る音 壊す音
誰もいない家なみへ降り
陽はさらに粗く明るく
石の道を震わせてゆく
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