ノート(47Y.4・14)/
木立 悟
涙を流し
目をこする
影のかたちは
去る季節への敬礼なのだ
無数に下りる遮断機を
無数に無数に越えてゆく音
額が受け継ぐ花なのだ
光の川を渡れずに
ひとり岸を歩きゆく
おのれがおのれをすぎてゆく
無数のおのれがすぎてゆく
空と花は見つめあい
声は淡く高くそびえ
夜へ夜へ夜へ流れる
すべての震えの帰路なのだ
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