ノート（Thermo)/
木立 悟
わたしはあなたの影しか知らない
そう言って幾度 舌を出しただろう
一度に燃え尽きる無数の蝋燭
その揺れめがけ 蒼は降り来る
消えかけた右腕を明るく照らし
頭上の痛み 頭上の夜
窓を染める
遠い火事
知らないふりを照らす金
水と空を縦につなぐ
昇ることも降りることも
わたしの前で あなたに変わる
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