笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
 
注:入沢康夫『宮沢賢治 プリオシン海岸からの報告』,1991,筑摩書房,p.133)

「それらの草稿に見られる推敲は、作品の最終的完成のために、ながい時間をかけて、あちらを直し、こちらをととのえる、といった、普通に考えられるような推敲ではなく、ある時に作品のはじめから終りまで一貫して手が入れられ、そこで一つの新しい完成形が成立し、それからまた時をおいて、はじめから終りまで通して手入れがされ、作品がさらに新しい完成形に達する、という具合に、その大部分が、いわば層をなして積み重なっている」

「その都度その都度の完成と、そこからの転生、再完成の繰り返し。」そこに思い合わされるのは、『農民芸術
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   グループ"宮沢賢治詩の分析と鑑賞"
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