笛吹き少年の行くえ(2)/Giton
修羅(第1集)』や雑誌掲載作品も、すでに活字になった紙面に対して、手書きでどんどん手を加えている。それは、誤字の訂正といったものではなく、ほとんど改作と言ってよい内容の変更を含んでいます。
このような“推敲”によって、口語詩が文語詩に変えられたり、あるいはその逆、あるいは詩を散文化して童話の一部にしたり‥という例もあります(注:例えば、童話『銀河鉄道の夜』も、はじめ口語詩として書かれたものが幾つも転用されて場面場面を作っている箇所があるのですが、これはまだ十分に解明されていません。というのは、その・元になった口語詩自体が、数ある推敲形の途中の形を利用しており、しかも、童話に“合体”されたあと
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