【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
 


4度目の「え、なに?」

 二人の喉をアメリカン・コーラの流れる音が、しました。
「やっぱアメリカンは最高だぜ、なあハミル」ムスカがハミルの肩を叩きました。
「イエス。でも糖分が多すぎるのが玉に瑕だな」ハミルは缶を振って答えます。
「え、なに?」
 パシヴィテ。

イエス。とむだに英語、5度目の「え、なに?」そしてパシヴィテ。

「お母さん、まだまだ元気そうだ」ハミルは誰に話しかけるでもなく謂いました。
「ああ」同様にムスカも。
 ハミルがCDを止めました。雨は激しくな
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   グループ"フレージストのための音楽"
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