【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
 
ハミル
のおかあの図体が頭から滑降します。二、三度線路に跳ねて、ドシャリ、ハミルの
おかあはしゃくれた顎を擦り剥きました。
「電車が通過いたします」

(電車が通過いたします)

ちょこんちょこん、の地の文の可愛さ、そのあとのどこに行くんだろう、は「を用意せずわれわれに準備をさせない(振り回し)、そして案の定(知らないよ、でもちょっと知ってたかも)こけるわけですが、この音。どこ!って。すごいですね。このどこ!ひらがなです。そしてホームに落ちる、落ちて大変なのに地の文はしゃくれた顎の擦り剥きだなんて、わりとディテールというよりマイナーなことにこだわります。そし
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   グループ"フレージストのための音楽"
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