【批評祭遅刻作品】殺し、やわらかい雨の中で(山茶花オクリ讃1)/渡邉建志
 
らあっぷりけ
のエプロンに安全ピンが山ほど留めてある、そういう妙ちきりんな派手なのです。
ハミルはそうしたおかあを恥じたことは一度もありませんでした。プラダのバッグ
なんて持っちゃって……。外套から見え隠れする鞄はハミルには信じられないアイ
テムでした。

あっぷりけってわざわざひらがなだし、持っちゃって……だし、信じられないアイテム、とかなぜだか客観的な文体だし。そうするうちに笑いが来ます。

ハミルがハミルの知らないおかあに仰天しているうちに、二人はきっぷ売り場に
やって来ました。そこでとうとうハミルのおかあは寄り添っていた肩
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   グループ"フレージストのための音楽"
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