多義性のデザイン(アスパラガスさん讃3)/渡邉建志
白く貼りつくさ
きみの部屋のカーテンに
白く貼りついて離れないさ
冬を越えたものだけが
最初から「さ」という語尾に変わっている。
強く歌ってくる、訴えてくる。
「白く貼りつくさ」
1連目では「白く貼りついた」が2回助走してくれて、
初めて出てきた「白く貼りつくさ」だった。
でもぼくときみのガールフレンドはもはや助走は必要なくなっている。
滑り出したそのスピードで白く貼りつく「さ」って言うことができる。
2回目はもうさらに長くなって「白く貼りついて離れないさ」と言う。
念押しに言う、倒置してまで言う。2回倒置
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