未明、みえないまま/渡邉建志
な、って思う。そうやって、無抵抗に受け入れてしまえるのは、なんだろう、私の問題なのか(たとえば世代感とか)、それともやっぱり詩人のまといえた遍在的な感覚に帰着するのだろうか。たぶんそうだろう。いやきっと。
ずっと話し言葉で、とても大切なひとの耳元にささやきかけるような(そういう詩が私はずっと書きたかった、そして理想的な形がここに在ってしまった)、おんどでつづられていくこの詩の、最後に、
それはもうすぐだから
瞬きみたいに
君が目を閉じて
開けて
そうすれば
嘘みたいに夜は遠いって
君に言うから
「嘘みたいに夜は遠いって
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