未明、みえないまま/渡邉建志
 
人がいるし、私の中でこの詩を固定させたくないような気がするから、あまりいろいろ読み解こうとしたり、いつものフレーズ萌えに走ったり、こまかなアナトミーに走るのもやめて、この白さ。あんまりの白さが、でもやっぱり、見えないし、夜から朝への光ですらなくて、ただただ無時間に光っている。「パッセ」が何かというのは、詩人のきっと、独特の固有名詞への愛着、おもちゃ箱のように、その愛着がかつて、異質なもののように驚いたり私をさせて(それは悪い意味ではなくて)、ただ、共鳴というのとは違う形で詩を見させていたように思うのだけれど、ここにおける「パッセ」は何の異質感もなく、パッセでしかない、そうだよな、と思う。いったいそ
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   グループ"フレージストのための音楽"
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