僕たちには一つの 信念が似合ってくる。山頂に着いたら、キャンプファイアを囲んで、一家団欒 に憩うのだ。そこに薪がなくてもかまわない。そこにコンロが、食器がなくて もかまわない。山頂に着いたら、みんなで鍋の前に並んで、蛤のみそ汁の匂い で充ちた湯気に鼻を温めよう。そこに鍋がなくてもかまわない。そこに蛤が、 みそが、湯がなくてもかまわない。そこにだれがいなくてもかまわない。僕た ちの内の僕がいなくても。 [次のページ] 前 次 グループ"フレージストのための音楽" 編 削 Point(2)