気の遠くなりかたについて(山茶花オクリ讃2)/渡邉建志
 
。僕た
ちは単独化し続ける。きょろきょろしていると首を痛めるだろう。首の筋を。
反応が鈍ければどんな部位においても筋を痛めることになる。こちらの筋が勝
敗の鍵を握り、仲間は目減りするか、顔が変わるかする。もはや顔での結びつ
きに期待せず、熱い蛤のみそ汁を欲するよりも早く零下の疾風とともに吹きつ
ける雪を縦一列になって避け切らなくては、であるからには熱い蛤のみそ汁が
無意識下で死守されないことには、パーティの全滅も近い。

「首の筋を。」の倒置、あるいは動詞の省略から、突然に狂気が見え始める。あるいは(、こちらだろう)、死に向かって気が遠くなり始めている。世
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