■批評祭参加作品■ Poor little Joan!または視点についての雑感/佐々宝砂
が不明確だったりする詩は世に多い。そもそも視点がない詩もある。コンピュータプログラムで生成された詩には視点がない。切り貼りコラージュで生成された詩にも視点はない。
ホラーやミステリに慣れた私という読者は意地が悪い。作者が意図してないものごとを読みたがるし、わざわざ意地の悪い読み方をしてみたりもする。語り手が「信頼できない語り手」であると仮定して読んでみたりもする。哀しみに充ちた詩から快感をくみとったり、幸せな詩からむなしさを読み取ったりもする。作者に対して失礼な読み方だとも思えるから、私は自分の読み方をあまり公にしない。
時折私は、過去の自作に対してこの意地悪い読み方を試みる。哀しい時
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