as if/ウデラコウ
僕は
大層顔を赤くして
違う!
と大きく叫んで 立ち上がる
僕だって 走れるさ
何も見えなくたって 足は動く
ただ もし…
大きな声でまくしたてたと思ったら直ぐに僕の声は小さくしぼんでしまうから
君は少し驚いた後 また さもおかしそうに笑い転げて
じゃあ 君が 望む速さで 走ればいいじゃないか
と
一言 さらりと言ってのけて
僕の手を掴むんだ
転ぶのが怖いんだろう 痛いのがイヤなんだろう
それは誰だって同じさ
君だけじゃない
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