白猫とお婆さん。/もののあはれ
一緒に詰めてくれました。
『いや。実はそんなに若くないんですよ。』
と。心の中で思いましたが。
お婆さんからみたら孫みたいなものでしょうから。
ありがたく頂戴する事にしました。
そしてお店を出る帰りしな。
「どうもありがとうございましたー。」
「煙草の喫み過ぎに気をつけるんだよー。」
と。お婆さんは声をかけてくれました。
ほんとうに有り難そうなお婆さんの言葉と。
見ず知らずの僕の身体を自然に気遣うお婆さんの心に。
じんわりと胸が熱くなり涙がポロリ零れそうになりました。
『どうもありがとう!』
なんとか笑顔で振り返ると。
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