白猫とお婆さん。/もののあはれ
 
 レジの下で様子をじっとみていた白猫が。
 ヒラリとレジの横のカウンターに飛び乗り。
 お婆さんと僕をその綺麗に透き通った。
 水色の瞳でじっーと眺めていました。

 『ああ。そうか。』
 『お前がお婆さんとこのお店を守っているんだなあ。』
 『偉いなあ。偉いなあ。』

 僕は心の中でつぶやき綺麗な白い毛並みの丸い背中を。
 ゆっくりと撫でてやりました。

 「あら。テンちゃん。」
 「撫でてもらって良かったねー。」
 「優しい人で良かったねえー。」

 お婆さんはそう言いながらレジを打っています。
 僕はまた照れくさくなって。

 『可愛い猫ですねー。』

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