寂しい織物?四つの破片 デッサン/前田ふむふむ
 
は、震える小鳥に身を纏い、みどりの鳥瞰図に、
春の微粒子を振り撒きつづけて、
遥か、紺碧のカンパスの群に、白い肌を隠していった。

わたしは、しばらく夢の眺望に浸ると、
瞳孔の底には、只の荒れた地平が陽を浴びているだけだ。
あれは幻影。
わずかなときの驟雨に消されて、
垂直を描く、蒼白い若芽の履歴が流れてゆく。
ああ、懐かしい春の夢よ、――
諦めを見つめるひとみの奥を、こころの領土で風化した、
ひかりの夕立が降りそそいだのだ。
わたしのこぼした感嘆を、名もない鳥が咥えてゆき、
冬の灌木の裂け目に、凍る太陽が悲しく没した。

( 遥かむかしに見ただろう。

忘却の空
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