ひとりぼっちの裸の子ども/佐々宝砂
 
うかすかな連帯感に期待して、つけなかった。私の詩の内容は、もちろん谷川俊太郎のものによりかかりつつ違うものになっている(と思う)。


この散文のタイトルも谷川俊太郎からの引用だ。

>ひとりぼっちの裸の子どもが泣いている
>孤児院はまっぴらだ
>テレビもいらないよ
>お金もほしくない
>だれかがいっしょに歌ってくれさえすれば
(「ひとりぼっちの裸の子ども」より抜粋:角川文庫版谷川俊太郎詩集2『朝のかたち』より引用)

夜中に台所で話しかけようとした「ぼく」は、そのまま「ひとりぼっちの裸の子ども」であり、谷川俊太郎のまたの姿であり、ここでこんな
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