鬼女紅葉とおまん/渦巻二三五
、鬼無里に居たままでも不都合はなさそうです。荒倉山の山塞はより攻められにくい、という攻めるより守りに都合のよい場所のように思います。
紅葉が荒倉山に移り住んだというその岩穴は今も見物することができますが、ちょっと紅葉には似つかわしくない、写真で見るとほんとうにいかにも鬼が住んでいそうな岩穴です。岩穴で暮らしていたというより、この岩穴は紅葉が加持祈祷に籠もる場所という程度のものだったのではないか、と想像します。
紅葉を巫女とした原始社会が営まれていたのではないか、惟茂の紅葉討伐は中央権力がそうした古代原始社会を滅ぼすものだったのではないか、という考えもあるようです。惟茂の兵が攻めてき
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