きんぎょ/水町綜助
やヒョウ柄やピンク色やグリーンやイエローの服が
黒い水の中金魚みたいで
そして僕らは酒に酔った帰り明け方三時半で
橋の欄干から乗り出して指を指してゲラゲラと笑った
橋のたもとには事務所があって
やくざの飼ってるアヒルたち橋の下グワグワ鳴いて羽ばたいて
僕らはさらに笑う
「知っとる?あのアヒル腹んなかにヘロイン詰まっとるらしいよ」
「ちゃうて、チョコだて」
「そらウンコだわ」
「そのまんま渡して取り引きするらしいに」
「そんなんうそだわぜったい」
「不自然だもん」
でも不自然なことなどそのころの僕にはなにもなく
僕に
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