荒川洋治を読んでみる(八) 『北京発包頭経由蘭州行き』/角田寿星
梅は大好きだそうです。この列車の旅は、モンゴル〜西夏〜ウイグルと渡るので、梅とはあまり関係なさそうですが、日本、朝鮮、中国と、梅の系譜を遡るという意味がありそうですね。
「おおいなる受動の平原、オルドスへ。」この詩には、オルドスということばが、実に三度登場しますが、荒川はオルドスの地をじーーっと眺めてるんですね。二回目には、荒川が「オルドス。」と「呼びすてる」んです。
オルドスは先に述べたようにモンゴル系民族なんで、この詩の主な舞台は内蒙古自治区になりそうです。オルドスは、まとまった国を建てられなかった民族で、歴史に登場してからこのかた明に服属しっぱなしで、そこらあたりの悲哀も含んでそうだ
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