荒川洋治を読んでみる(八) 『北京発包頭経由蘭州行き』/角田寿星
うだね。
京蘭線全線の地を「オルドス」でひと括りにするのは、やや乱暴な気もするけど、現在と過去の歴史、現実と妄想の認識、それらの狭間で揺れ動く、長ーい長ーい列車の旅(「一日半の有愁。」と書いてます。「有愁」は誤記ではありません念のため)、というわけですね。
用語解説。
「明眸のふかみへ」…眸はひとみのことですね。目もとがはっきりして、澄んだ美しい目のこと、だそうです。
「国家はいま適湿にいたる。」…砂漠だからねえ…湿度は低いと思うんだよねえ…。だから、あれなのかな。歴史の汗や涙、作者の抱く愁いなんかが、オルドスに適当な湿り気をもたらすのかな。
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